堕神

目が覚めるとハルじいは既に起きており小屋にはいなかった。外に出て見るとハルじいは海を眺めていた。

ハルじいはこちらに気づき

「お主はよく寝るのう。」

「別にいいだろう。」

俺がそう答えると

「早起きはなんとかの特というだろう。お主も早く起きてみたらいいだろう。」

と言ってきた。全くうるさいじいさんだ。


「それでこの石についてだが。」

小屋に戻った後、俺が聞くと

「それについてだが、この近くにある村に行く途中に話そう。」

そして俺らは小屋を出てその村へ向かった。


「その石はとある洞窟で採れる宝石なんじゃ。」

「それが俺の刀についていると。」

ハルじいの話を聞いてそう答えた。

「そうじゃ。それぞれ違う力を持っている。しかしわしにはわからん。」

「はぁ?」

「その能力を知るために海辺の村へ行くのだ。見てくれる奴がおるからの。」

なるほど、と思った矢先、近くの茂みから物音がした。

『グギャーオ』

という鳴き声とともに醜いケダモノが現れた。どこかで見たことがある。そうだ、『石の記憶』で出てきた化け物に似ている。

「こいつはなにもんだ!?」

「こいつは『堕神おつるかみ』じゃ。主に人の悪い欲望から生まれるものじゃ。」

「どうすれば…」

「切れ。」

切れ、だと?

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