戦い

切れ、だと?

「首を落とせば簡単に死ぬ。首を切らなくても立ち上がれなくなるほど切り刻めばよい。」

「だがどうすれば?」

どうしたら首を切れる?

「『石の記憶』を思い出せ。」

ハルじいは淡々という。

石の記憶の中で一番使えそうなのは…

俺が考えていたら、あの化け物は飛び掛かってきた。

「うわ!」

俺はなにも考えずとりあえず刀を抜き化け物を薙ぎ払った。

『グァーオ』

化け物に攻撃は効いていないようだ。

「なぜだ?少しぐらいは切れてもいいはずなのに。」

俺は無意識のうちに構えをとった。その時、なにか違和感があった。

その違和感の正体はすぐにわかった。この刀は考えられないほど分厚いのだ。峰の厚さは半寸ほどあり、肝心の刃もない。こんなのでは切れるはずもない。

『グルァー!』

また化け物が飛びかかってきた。

今度は払おうとせずに受け流し、そのままの勢いでぶっ叩く!

っと思ったが全く抵抗がなかった。

確かに当たったのに、と思った瞬間、目の前で化け物の首が宙をまっていた。

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