刀=凪
俺の名前は…
俺が答えるのに詰まっていたら
「もしかしてわからないのかい?」
とハルじいが少し複雑そうな顔をして聞いてきた。
「まあいい。それよりお前さんの持ち物を返さないとな。」
そう言ってハルじいは一本の刀を出してきた。
「これはお前さんが大事そうに抱えておったものじゃ。そうじゃ名前を思い出せないのならその刀に書いてある名前を使えばいいではないか。その刀は『天乃剣 凪』と書かれておったぞ。」
「凪か。悪くない名前だな。それよりも服のほうを返して欲しいんだが」
俺は何も着ていないことに気づきそう言った。
「服なら汚れていてとても着れるものではなかったから捨てといたわい。」
「そうか。」
ならしょうがないと思いとりあえず刀を受け取ると、
『バシュン』
という音とともに体に異変が起きた。
いや体に直接異変が起きたわけではない。
勝手に服を着させられていたのだ。
「やっぱりだな。お前さんはこの妖刀の使い手なのだ。」
ハルじいが少し安心したように言う。
妖刀の使い手?
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