第17話 最善の方法

もう、迷っている暇はなかった。全てとは言えないまでも情報は整っていた。

この世界で、エメラルドたちが犠牲になる世界は終わらせてやる。毎回恒例の頭痛は無視すればどうってことなかった。あと必要なものは、覚悟だった。

見覚えのない風景、けれど見たことのない風景ではなかった。そうここは一回目のタイムリープで経験した、世界だ。(多分)ならば説得は不可能だ。

心臓が、今までにないほど高鳴っている。ここから説得せずに、みんな避難させる方法。それは、自作自演の事件を起こすこと。それも、能力者でも逃げるような大規模な。なぜ、心臓が高鳴っているのか。それは今から分かる。

「流星!!!」そう今使っているのは、完璧な能力だ。

能力を使うことによる、自分への反動を克服したわけではない。

獣化は、基本腕から始まる。ウイルスの感染のようなものだ。

ならば、能力を使ったとバレずに襲撃を伝える。

隕石は、軍基地寸前を通りつつ僕の腕を焼き払っていった。

腕からは血は出ず。ただ、痛みもなかった。

「敵襲だ!!逃げろ相手は能力者だ。標準が合わなかったということはおそらくまだそう近くはないだろう。急げ。」

外にいたやつの言うことともなると、信用性が違う。

これが僕の最善の方法だ。急いで、移動を開始した本隊は一人の犠牲も出さずに奇襲を避けることに成功した。

あとは、この場に能力者が現れることを知っている僕は警戒をし続ける。

とはいえ毎回戦場になるところは避けた。希望的観測で言わせてもらえれば、ここにくるまで多少時間がかかるだろう。ばか力のあいつの能力は、今もわかっていない。

<おいおい、そんなところで逃げたつもりか。>現れた!こんなところにまで。

「あいつは能力者だ。なんの能力かまでは知らないが。」

そういうと全員が警戒を始める。このような修羅場で、ふざけるようなやつでないことに関しては信用があるようだ。

<てめー、なんで俺のことを知ってやがる。てめーと話すのは初めてだろうが!>

そこじゃないだろ、と突っ込みたくなるがぐっとこらえる。

この方法が最善の方法だ。そう心のなかで、暗示をかけた。

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生産型能力者 第2章 怒涛のタイムリープ編 DC.MS.WM @Mousouzoku_Harukiti_01

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