第16話 全員を救う。

相手の、攻撃は単純ではあったが早いので避けるのが困難をきわめていた。

相手はまだ笑っていて、余裕があったけれどこっちにはもう余裕がなかった。

おそらくは、こいつ以上強い能力者はいないだろうと思うほどつよかった。

「ふん、その程度か。」そう自分に、暗示をかけながら戦っていた。

<そう言っている割にお前はボロボロだな。>そういわれるとぐうの音もでなかった。剣をまた強く握り直す。どうやら、現実を見せに来るようだ。

回避行動に出ようとするが、あまりに強力な力がゆえに回避しても意味がない。

そう察した僕は、タイムリープへの準備をする。タイムリープに必要なのは、意識を飛ばすこと。であるならば、あいつの攻撃をわざと食らって気を飛ばす方法がある。

だが、ちょくに喰らえば気を失う前に死んでしまう。剣ごしでも怪しいレベルだ。

オーラからして食らうなと体が回避行動を起こそうとするが、それをぐっと堪える。

<死ねー。>そういわれると、自分への覚悟のように言った。

「そう簡単に死ぬかよ。全部変えてやるよ。」そして僕は助けるんだ。

「全員救ってやるよ。」その言葉を聞いた、相手の相方がしまったというような顔をした。<まずい...攻撃を止めろ。そいつタイムリープするつもりだ。>

その表情を見て、嘲笑うような声で言うんだ。

「タイムリープ」その言葉を最後に、その世界から僕は去った。


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