第15話 やっぱり

アンギネス、エメラルドに報告をして急いで兵を移動させた。

「僕は、ここに残り敵の数を見るよ。もし、失敗したら過去のお前に教えられるからな。」そういうと、アンギネスはご武運を。といってその場から立ち去った。

アンギネスに能力者の話はしたが、あいつ一人は愚かエメラルドと共同で戦ってもやつには勝てないだろう。だからこの観察が、終わったら加勢に行く必要がある。故にこんなところで、時間をつぶすわけにはいかない。そんなことを思っているとちょうどそこにたくさんの兵隊がきていた。数を確認して、急いでアンギネスのもとへ急いだ。戦場になっていないことを、願いながら行くがその願いは叶わなかった。

そこには、能力者と直ぐ側にいる能力者だと思われるやつと血の海になった戦場だった。「早くないか。こんな未来からはタイムリープしてきてない。なんで3回タイムリープして全部、過去の出来事と違うんだ。」それはタイムリープしても無駄だといっているように思えた。

<無駄だよ。こっちには未来を読む能力者がいる。どう足掻こうと無駄だよ。>

くそ、兵隊の数なんて確認するんじゃなかった。と内心で舌打ちをした。

だが、後悔しても現実は変わらないということは自分がよくわかっている。

ならどうするか、自分の中で自ずとわかっていた。殺される前にタイムリープしなきゃいけない。タイムリープしようとした瞬間、相手に切りつけられそうになって。

とっさに剣を鞘から抜き、受け止める。がこんという音が鳴り、体に味わったことのないような重さが襲った。このままでは、負けるとふみ。剣を斜めにして、踏み切る。<やっぱ能力者ってのは、いいなぁー。雑魚兵とは違って、戦いが長く続く。>

殺すつもりの攻撃ではないことを力加減でわかる。こいつが上機嫌のときは、そこまで強い攻撃をしてこない。僕がしっている、未来のあいつの強さはこんなもんじゃなかった。この世界の、エメラルドとアンギネスは死んでしまった。

でも、死ぬ寸前まではお前と戦いできることなら殺してやる。きっとコイツラは僕が過去に戻ることも、未来予知で見えているのだろう。

それは、つまり未来の僕は過去に戻るのに成功しているということになる。

「お前の僕はおもちゃじゃないんだ。さっさと殺してやるから、かかってこいよ。」

剣がいままでにないほど、震えているのはわかっているが無視する。

こうして始まった戦闘は、とても長く感じられるものだった。

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