第14話 ごめん

タイムリープしたときの感覚は、言葉では表現できないものだった。

頭の中に、寄生虫かなにかを入れられたように激痛がはしり意識が飛び過去に戻る。

過去に3回戻ったが、到底現実味のある話ではなかった。そんなことを思いながら、

タイムリープ3回の失敗を生かしていくつか作戦を考えた。

まず、このタイムリープで本人を説得して奇襲を避ける作戦。

この作戦と同時に僕は、未来を熟知する必要がある。未来を知らない、タイムリープ者などただの現在人だ。人の命がかかっているという状況なのにも関わらず、僕は説得を選んだ。それは紛れもなく、現実から逃げていた。

そう逃げた先に、成功なんてないことは死ぬほどの思いしっている。だが人間というのは、自分の身が危なくなったら他人を切り捨てるのもまた現実だった。

そうこうやって、何回もアイツらを犠牲にしてそれで時間稼ぎをする。

それが、ぼくだと心の中の自分が暗示のようにいった。

「アンギネスお前の能力はなんだ。」そう真面目な顔をしていうと、忘れたんですか?と言ってから<僕の能力は、過去に戻る能力です。>

「嘘をついているな、アンギネス。お前はもう一つ能力がある。」

そういうと、まじかといってすべてを察し言った。

<このあと、なにかあるんですね。それも僕とエメラルドでは被害が収まらないようなことが。起こるんですね。>

勘が優れているこの上なかった。そうアンギネスは、自分を誰よりも知っている。

こいつのもう一つの能力は、譲渡。自分のタイムリープを渡すのは、信用している人でも自分の危険な状態にならないと渡さないと。そして、このことは渡すとき以外話さないことにしている。なぜならそのことを知っている人間は、タイムリープしてきた可能性が高いからである。正直ここまで考えているとはと、関心してしまう。

「敵がこの場所に、奇襲してくる。未来の自分はパニクって敵の軍勢を見ていなかった。だが、被害はここにいる奴らの半分が死ぬ。だから、ここにいちゃいけない。

早くエメラルドに報告しなくちゃ。ここの指揮は、お前に任せる。」

そう言い残して、急いで移動を開始させた。

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