4.伊達君はメイド服を着た!

 伊達君が着ているのは・・ミドル丈のフレアスカートの黒のワンピースに、大きなフリルとレースのついた白いエプロンを組合せたエプロンドレスだった。エプロンドレスの下には白いふりふりのフレアスカートになったペチコートを付けている。頭にはふんわりした白いフリルがついたカチューシャだ。これって・・メイド服じゃないの。


 そしてね、伊達君はメイド服の背中に竹の籠を背負ってるの。竹の籠って・・小学校の校庭にあった二宮金次郎じゃないのよ。


 私があっけに取られていると、伊達君はもう一組メイド服を出してきた。


 「さあ、店長もこれを着てください」


 って、ちょっと、伊達君ねえ。


 私が戸惑っていると、伊達君の声がしたの。


 「店長はこの店の売り上げを伸ばしたくないんですか?」


 ムム! コイツは痛いところをついてくる! でも、うちの売り上げとあんたが着ているメイド服と何の関係があんのよ! 伊達君にはそういう私の心の声が聞こえたみたい。


 「僕と店長で、これからあのモールに行って下着を売るんです」



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