イケメン俳優のワイ、戦争を語るんやけど何も知らん

エンタープライズ窪(煮干しマン)

イケメン俳優のワイ、戦争を語るんやけど何も知らん

 遠い国で戦争が始まった。


 巨大なR国が、小さなU国に攻め込んだのだ。


 各国メディアは侵略戦争としてこれを取り上げ、世界各地で大騒ぎになった。


 とある国のテレビも、これを取り上げた。


アナウンサー「本日は、本国ナンバーワン俳優のマイケルさんと、食糧問題評論家のボブさんに来てもらっています。マイケルさん、本日はよろしくお願いします」


マイケル「よろしゅうお願いします」


ボブ「お願いします」


アナウンサー「マイケルさんは、この戦争についてどうお考えですか?」


マイケル「ワイはね、戦争ってのは、やっぱあかんことやと思ってるんですわ。だからね、侵略されてるU国は、さっさと降伏した方がええと思うんですわ」


アナウンサー「…………え?」


マイケル「せやから、降伏しろ言うとるんです。戦うから、国民が死ぬんでしょ? さっさと降伏した方が、人の命を守れます」


アナウンサー「R国は、かつて降伏した国の人々を奴隷のように扱っていましたが……」


マイケル「それはそれや。今は今なんです。U国の大統領は、国民が大事なら降伏した方がいいと思いますわ」


 微妙な空気がスタジオに流れる。


 続いて、アナウンサーはボブに話しかけた。


アナウンサー「ボブさんは、どう思いますか?」


ボブ「いやー、僕食べ物専門だからね。戦争専門じゃあないけど、これだけは言えるかな。食糧不足になって終わるかもね。兵士に食糧が届かなくなって、どっちかが折れちゃうね」


 うっかり、顔を顰めるアナウンサー。


 それに気づかず、ボブとマイケルは持論を語り続けた。




スタッフA「……いいんですか? こんなゲストで」


スタッフB「いいんだよ、視聴率取れるから」

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イケメン俳優のワイ、戦争を語るんやけど何も知らん エンタープライズ窪(煮干しマン) @enterprisekubo

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