第8話 これが人生初の“告白”だなんてあんまりだ……


 先程から完全に忘れられていた姉は青ざめた顔をしながら俺へとまるでゾンビのように向かって来た。


「うっ、う、う、う、う、う、嘘だよね……琥珀ちゃん?貴方はゲームのヒロインで、可愛くて愛しくて最高のキャラで──」

「──違うよ、姉ちゃん。俺は白。姉ちゃんの弟なんだ。だから琥珀ちゃんじゃないよ」


 どうやら姉はゲームのキャラが現実に出て来たからこんなにも嬉しかったらしい。だけど、なんで姉の推しキャラと俺の容姿が似ているのかが分からない。まぁ多分……神様(自称)が何かやらかしたんだろうな。(`ーωー´)呆れ。


 気持ちは分かるけど、それでも強い愛は狂気へと変わる。これは俺には分からない感情だった。


 姉の夢を破壊して悪いけど、これで姉の狂気じみた愛も終わる筈だろう。だが──姉は俺の予想したオタクよりも更に上を突き抜けた。


「じゃ、じゃあ、私の弟 白。いや、白ちゃん。」


“ちゃん”付けで呼ばれ、嫌な悪寒が俺を襲う。


「私は白ちゃんを推したい。これから永遠に。もちろん、家族としてじゃなくて、姉としてでもない。一人の女として!」


 性癖だとか、狂気だとか……もう姉の心はねじ曲がった恋心に支配されてしまったようだ。

 でも。これって世間一般的には“告白”っていうやつなんだよね?


 ……引きこもりで、陰キャでダメダメな俺の最初の告白相手が、姉で、家族で、オタク(狂気)……だとは思わなかったよね。アハハ(ˊᗜˋ)


 人生、生きてると何があるか分からないもんだ。

 アハハ、アハハ、アハハハハハ(≧▽≦)




「──バカじゃないの、姉ちゃん」




 と、言った感じで俺の長い一日が終了した。

 本当に、本当に、本当に疲れたよぉ(o´Д`)













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