かっちゃんのこと

蕃茉莉

かっちゃんのこと

 わたしは、にんじんが、きらいです。

 こんどのせんせいは、きゅうしょくを、のこしてはいけません、と、いいました。

 でも、にんじんは、たべられません。

 のこしたらだめな、きゅうしょくに、たべられないものが、はいっているのは、おかしいと、おもいました。

 せんせいに、そういうと、せんせいは、にんじんは、たべられるものですよ、と、いいました。

 せんせいには、たべられるかも、しれませんが、わたしには、たべられません。


 きょうの、きゅうしょくは、しちゅーと、ぱんと、よーぐると、でした。

 しちゅーには、にんじんや、じゃがいもや、ぐりんぴーすが、ありました。

 わたしは、にんじんのほかに、ぐりんぴーすも、きらいですが、ぐりんぴーすを、がんばってたべました。

 でも、にんじんは、たべられません。

 みんな、たべおわっているのに、わたしが、たべられないので、せんせいが、またこっちにきました。

 せんせいは、ありさちゃんは、まだにんじんがたべられないのね、と、いいました。

 せんせいは、きょうは、ぜったい、たべないといけません、と、いいました。

 せんせいは、ありさちゃんが、たべおわらないと、みんな、ごちそうさまが、できません、と、いいました。

 みんな、ますくをつけて、こっちをみていました。

 わたしは、なきました。

 ひとつでいいから、たべなさい、と、せんせいが、いいました。

 みんなが、こっちをみているので、わたしは、いちばんちいさいにんじんを、たべようとおもいました。

 ほーくでさして、くちにいれようとしましたが、くさくて、またなきました。

 そうしたら、かっちゃんが、わたしのほーくをとって、かわりにたべました。

 せんせいが、かっちゃん、ひとのものをとってはいけません、と、おこりました。

 かっちゃんは、でも、ありさちゃんは、にんじんがきらいだから、いらないとおもいます、と、いいました。

 せんせいは、いってもいらなくても、とってはいけません、と、またおこりました。

 かっちゃんは、へんなの、といって、わたしのおさらのにんじんを、ぜんぶたべました。

 せんせいは、すごくおこりました。

 わたしは、せんせいが、すごくこわかったのですが、かっちゃんが、しかられるのは、ちがうので、すごくこわかったけど、せんせいに、にんじんがなくなったから、ごちそうさまでもいいですか、と、いいました。

 みんなが、わらったので、わたしは、よかったと、おもいました。

 せんせいは、こわいかおで、ごちそうさまをします、と、いいました。

 わたしは、すごくすごくこわかったのに、かっちゃんは、わらっていました。

 かっちゃんは、すごいな、と、おもいました。


 わたしは、かっちゃんが、だいすきです。

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