暴走ダンジョン
第33話 心機一転 しんきいってん
心機一転 しんきいってん
ある動機をきっかけとして、すっかり気持ちがよい方向に変わること。また、あることをきっかけに、すっかり気持ちや心をよいほうに入れかえること
『ユキ姉さーーーん!!!』
イブキがサロンに飛び込んできた。カグラが続く。
『角が、角がー―――!!』
イブキはこの10日間で変わった。背が伸び、更に女性らしい体型になり、角が生えていた。今までは戦闘に集中していたので気づかなかったのだろう。第3回目のアタックが終わった時から気づいていたが、あえて言わなかった。誰も言わなかったようだ。
『イブキちゃん。巨大な魔力を急に取り込んだ場合、魔物の身体的特徴が現れることはよくあることで、気にする必要ないのよ。カグラもそれで尻尾があるのよ』
『尻尾??』
カグラがイブキのお尻を撫でた。
『イブキ、大丈夫だ。尻尾は生えていない』
『が――――!!くそカグラァー!!わかっとるわい、自分で触れば解るわい!何乙女のケツ触っとんじゃ!姉さんにも触っていただいていないこの高貴な処女ケツを何お前が触っとんじゃ!!』
『気にしていたので確認したんだよ』
『が―――!何まともに返しとんじゃ‼学べ、経験を活かせ!そういうこっちゃないじゃろ!!尻尾ならまだしも・・・・』
イブキは自分の股間を見る。カグラの手を振り払い、後ろを向きもぞもぞしていた。ほっとした顔で振り返る。
『角があるイブキは可愛いよ』
『え!そうなの、、ってなんでやねん!!兄さん犯されました!このイブキの処女ケツがカグラに奪われました!成敗してください!このエロ大魔王の成敗を!私より乳があるこのホルスタイン魔女を!姉さん、ギルドにクエスト依頼させてください!か弱き処女のケツを汚す魔物の討伐を!』
今日も二人の息が合っている。
いよいよこれで暴走ダンジョンに移動する。
この国から魔動車で3日移動した場所に転移ゲートがあるらしい。俺たちはミスリルインゴット6本を学校に、6本をヘーゲル卿に寄付した。朝イブキは大きくなったイブキに驚く施設のお姉さんたちと涙の別れの儀式を行い、角をかわいいと褒めてもらい、巨大な魔動車に乗り込む。
中央区を抜け、郊外で一旦止まる。変わったイブキに驚くおばさんたちと涙の別れの儀式を行い、ようやくこの国から離れた。
第五階層に入る前に学校の友達とは別れを済ましているが、今のイブキを見て一番驚くのは級友たちだっただろう。前にカグラとイブキ、後ろにユキと俺が座り、カグラが魔動車を操っている。
初めての国外の景色にイブキがいちいち反応し、カグラが真面目に解説する。夜もカグラは寝ながら運転していた。
転移ゲートがある街が見えた。ゴテゴテした外観の街だ。砂塵の感覚では街全開を結界で覆っていた。街の門で魔動車が止まる。黒いスーツを着た男がいた。
『お待ちしておりました。Bステージへようこそ。こちらが仮のカードになります』
ユキもカグラも何も言わず、カードを受け取ったので俺たちもそれを受け取った。魔動車は勝手に動き出し、どこかへ移動した。
『では付いて来てください』
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