第11話 創意工夫 そういくふう
創意工夫 そういくふう
今までにない新しいことを考え出し、そのためにさまざまな手段、方法をためすこと
『お待たせしました』
ユキの前は残り一組となっていたのでユキとの通信を解除し、そのあとに並んだ。
『火魔法の制御、お見事でした。そして目的の核の回収、お疲れ様でした』
ユキは今の俺のステータスを見せた。
レベル:20
ステータス:攻撃力:24→31、守備力:6→8、身体活性:15→20、精神力:30→39、魔力:6→8
スキル:アイテムボックス:76→80, 身体強化:15→22, 剣術:32→45, 薙刀術23→33, 投擲術:5→10, 火魔法:1→9, 土魔法:1, 耐魔法:1
スキルX:"覇気"ε→υ、"合気"ν→ε、"操気"η→κ、"根源力"η→ι、"呼吸"ε→ο、"瞑想"ε→ο、"意識"η→μ"武術"φ→ψ、"間合い"η→μ、"空間支配"α→α、"物理支配"α→α
『まず最初に、洞窟にあった冒険者の遺骨とアイテムや武具の回収、ありがとうございました。それらの鑑定により現在行方不明とされている冒険者の生死が判明します。遺族から何らかの見返りがあるかもしれません。また、武具やアイテムもギルドで査定し、査定額の50%が回収者であるゲンジさんに支払われます。遺族がいない場合は100%ゲンジさんに支払われます。あるいはそのままご使用いただいてもかまいません。冒険者の遺体、アイテムの回収はランクアップへの大きな加点項目です。ここまでで質問ありますか?』
「ない。任せる」
『了解しました』
『土魔法、魔法レジストが吸収されています。火魔法は多くの創意工夫をなされましたね。スキルレベルも上がっています。今日はお疲れでしょうから、ゆっくり休んでください。また明後日お会いしましょう。それと、ミスリルの武具がもう少しで完成します。この段階で、加工費を支払いました。ゲンジさんの資金は今回の討伐で4049万Gです。三つの武具への加工賃3000万支払い、1049万Gです。後、遺品の分は後日査定後支払われます』
私は去っていくゲンジの背中を見詰める。彼の特殊スキルXの解析を続けているが全くわからない。普通の人と違う力の背景があるはず。慎重に彼の行動を認識し解析しよう。このスキルXのいずれかのスキルが、魔力0になっても魔法を使い続けられた理由なのだろう。
見つけてしまった。とうとう見つけた。やはり彼は私の求めていた一人だ。
---------------
翌日俺は、朝の鍛錬の後平原で土魔法を使ってみる。オークが使ったように土壁や地面から突起を出した魔術だ。土魔法を発動させると何となく四方の土と繋がれる感覚がある。この繋がった土を動かしてみる。
表面の土だけがさらさら地面を移動した。今後は形状を変えるイメージでさっきより深さ方向を意識して土を動かす。前の地面に台ができた。
この土の台を1本の棒にした。次は3本の棒にした。手で触ると崩れた。今後は3本を1本に圧縮するイメージで作ってみた。手で触るが崩れず硬い。しかし力をかけると折れた。更に土を併せ圧縮した。硬さが増すが脆い。
しばらく繰り返すがやはり硬さは増すが脆い。土で形状を変えることができるようにはなった。この硬い土でオークがやったように土を動かし、且つ圧縮し、突起を生やしてみる。
生成速度は遅いが突起が土から生えてきた。それを壁にした。できる。けど殴ってみると割れる。
今度は土を圧縮する際に火のイメージを足してみる。突起が瞬時に生えた。生成速度が各段に早くなった。これなら実戦で使える。壁も同じだ。瞬時に作ることができた。更に、成形物の硬度と脆さのバランスも飛躍的に上がっていた。殴ってみたが、簡単には壊れない。この土と火をかけ合わせる感覚で土の形状をいろいろ変える鍛錬を続ける。大体成型物の形状はイメージ通りに作れるようになった。
棘、壁、穴、足場の形状とさらには自分のダミーまで作れた。細部はできないが俺と同じ人型の背丈とポーズが作れるようになった。棘や壁やダミーもいいが、足場が一番俺にとってしっくり来た。
前に踏み出す際に傾斜をつけた足場を作り、踏み込みやすくする。跳躍の際に足場を押すように土の突起をつくる。この傾斜と押すことで移動速度、跳躍できる高さが飛躍的に向上した。
移動先の踏み込む足場を小さな壁にし、それを土台に急停止できるようになった。さらにこの壁を踏み込んで逆方向に跳ぶ、重心を低い位置で安定させればどの平行方向にも瞬時に方向転換できるようになった。
前教師の一人が縮地なる瞬間移動を見せたが、それと同等以上の速さだ。足場を押す跳躍も平屋を飛び越える程度まで跳べるようになった。
この瞬間移動の技を縮めて“瞬移”と名付けた。おもしろい。魔法は素敵だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます