自我境界線突破

インターネットの議論は議論にならない

リングも時間制限も審判もなし

みんな好き勝手に言葉に意味を与えて

みんなで場外乱闘をしている


ネット議論で“ごめんなさい”は稀だ

友達同士であるぐらいで滅多にないこと

およそ誰も自分の考えを改めない

これだけ炎上すればさすがに自分の限界に気づきそうなものの

認めない


でもねえ

わからなくもないのよ


たとえ自分に非があることが分かったとしても

なんで無関係な赤の他人に謝らなきゃならないのかと、

わからなくもないのよ


とどのつまり自分が間違ってるのかわからない段階で

なぜ考えを改めなきゃならないのかと、

わからなくもないのよ


自分は何も悪くないのに謝らなきゃならない

そんな日常生活を送っている中

なぜネットでもそうしなきゃいけないのかって不満も、

わからなくもないのよ


結局のところ僕らのリアル自体に問題があって、

インターネット云々というより

議論云々というより、そもそも僕らは、

“人と話をする”という習慣自体がないのではないか


僕らは他人と話したくない

というか話す気がない

というより、どうすればいいのかわからない

僕らは他人との話し方がわかっていないんだ


今日も僕らは自我境界線を突破して

みんなで議論のようなものをしている

でも別にいいんじゃないの


あくまで話はしたくない

自分の意見を言うだけ言って他人の意見は聞かない

いいね!と言ってくれる人の話しか聞かない

それでいいなら


リアルの不満をネットにぶつけて

ネットの不満がリアルに反映され

そして僕らはより一層、人との接し方がわからなくなる

こういうのを世界の終わりっていうのかしらね


だけど致し方ない

もともと“おかしな意見”は叩かれるリアルだもの

和をもって貴しとなす

みんなであらゆる意見をより良い方向へとまとめていく

そんな力は、ない

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