Secret Pulse

手を伸ばしても繋がれないことを怖れてる

一度目に掠めてしまう偶然を怖れてる


俺はきっと君を思うよりも

君に会いたいと思うことを想っている

そして会いたいと想う毎に溝が広がることを思う


文章能力が全てを左右する

ただ文字だけが支配する

その上でどう伝えるか

突破するのは容易じゃない


返信はすぐにしないとか駆け引きめいててやってられない

刺激と安定ならどっちを取るかなんてまるで結婚の話みたい

ゲームがしたいわけでもリアルを追求したいわけでもない

でも日常生活の一つに過ぎないことだとはどうしても思えなくて


メールを書く度に 送信ボタンを押す度に

まるで暗号のように祈りを込める

機械文明を超えたシークレット・パルス

どうか続きがありますように


すぐに返信がないのがすごく怖い

トイレに行っただけかもしれないのに

でもひょっとしたら何か気に障るようなことでも書いたのかも

まるで束縛のよう


この文章で果たしてよかったのだろうか

まだラリーが続くと想ったのに

この文章は君にひとまずの終わりを伝えたのだろうが

あるいはこれで見限られたのかも


一人称がマズかったのかも

君の嫌なことに関わってしまったのかも

いずれにしても続きがあるならまた後でになる

続きがあるなら


文末には疑問文を置かなくちゃ

じゃなきゃ返信しにくいだろう

でも訊きたいことだらけで逆に何も訊けない

あんまり深入りできないし


いったん書いて送ったらもうやり直せない

他のものでカヴァーすることができない

せめてと想って絵文字を使う

でも軽い奴と思われたらどうしよう


思いを正確に伝えられているか自信がない

だってどんなふうに読み取られているかわからない

だってどんなふうにだって読み取れる

瞬時に解説することが“ここ”じゃ無理


できるだけ短文でまとめなければならない

迂闊に長文を書いたら疲れさせてしまう

小説やエッセイを書くようにはいかない

とにかく文章のラリーが最重要課題である


句点で終わるとなんか冷たい感じがする

句点なしで終わるのもなんか冷たい感じがする

だから語尾には絵文字・顔文字を

でも別に普通に日本語を使ってるだけだし

果たして俺の悩みは意味があるのやらないのやら

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