第6話

GRURARARRA!!

突然大きな鳴き声が周囲に響き渡り、何かがこちらに近づいているのが分かった。

二人がいる高台の後方には薄暗い雑木林があり、そこから奴はやってきた。

禍々しい紫色のオーラが身体を纏い、殺意と凶暴さが肌で感じられるほどのプレッシャーを放つ。犬型の「魔獣」だった。

「魔獣」それは魔女の持つ魔力により生み出された危険で獰猛な存在であり、その目的は不明だが人間を蹂躙する生態をもつ。

「魔獣!?なんでこんな所に」

「…………」

通常、街中などに現れることのない猛獣が突如として目の前に現れたことに驚く彼方に対して、聖は眉一つ動かすことなく冷静にソレを見ていた。

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