第3話
最初は軽くジョギングをして、眠っている身体を揺らし起こす。足の先から温まりだしたら次はお決まりのコースを駆ける。
彼方の脚力は常人並みだが、習慣化されたランニングや肉体改造のおかげで少しは早くなった。しかし、その成長した速力でもあの部隊の中では平均だろう。中には50m三秒なんて化け物も存在する。
「はぁ……はぁ……、一応タイムは速くなってるな」
目的地までの時間を測っていた腕時計を止めて確認する。
そこは見渡せば街を一望できる高台にある無名の公園。あまり知られていない穴場で、彼方のお気に入りの場所である。特にこの早朝の時間帯には人気がほとんどなく、朝特有の街並みの音、香りが堪能できるのだが……
「珍しいな、こんな朝から人がいるなんて」
思わず声を出してしまったことに我ながら恥ずかしくなるも、それはこれまで数百日と欠かさず走ってきたが、初めてのことだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます