第9話 夏希の魔法少女友達のひとりが男の子とTS女子の絡みもいける腐女子だった件

少し予定を過ぎたが落ち着きを取り戻した夏希は、なんとか攻撃の威力の調整ができるようになった。


訓練がひと段落して講師役のひとりの宮園梅子が席を外した間に、夏希は少し休憩をしていた。

そこへ朝露の魔法少女の水面 ひかりが話しかけてくる。


「夏希ちゃんが魔法少女になった経緯は梅子さんから聞いてました。

男の子だった夏希ちゃんが、魔力結晶を作るためにとはいえ男の人といきなりどうこうするって確かに難しいですよね。

でもいつかは結婚とか考えないといけないことだと思うんです。試しに歳が近い退魔師の男の子たちと遊びに行きませんか?」


 ひかりはそう言ってスマホをパパッと操作して、14・15歳くらいのイケメン何人かの写真を表示して夏希に見せてくる。


「ええっ。そんな事いきなり言われても…⁉︎」


いきなり活き活きと話しかけてくる光にかなり引き気味の夏希。

そこにスノーウィーマウンテンこと雪山の魔法少女 神山 沙雪が助けに入る。


「ちょっとひかり、怯えているサンダーストームに詰め寄るなってば。

ひかりが腐女子なのはしょうがないけど、女の子になったばかりの友達を掛けようとするな‼︎」


「誤解しないでください、これは単なる遊びのお誘いです。

女の子の扱いに慣れたイケメン退魔師たち。

素敵な時間が約束されています。

そんな素敵な時間の中でたまたま一緒に遊びに出かけた相手が、実は夏希ちゃんの運命の相手だったりするのでは⁉︎」


「確かに男の子の退魔師って魔法少女をチヤホヤしてくれる。

けれどそれって好きになってくれたとかではなくて、自分の血筋に優秀な血を取り込みたいとかいう理由でしかない。

ガツガツした狼の中に飛び込むなんて馬鹿げてるわ。」


「でも慣れておくために一度くらいはどうかな?

夏希ちゃんは気になる人いませんでした?」


目をキラキラさせてなおも写真を見せてくるひかりを前に、

冷や汗がつつつーっと頬を流れるのを感じながら

夏希は断る事にした。


「い、今は興味ないですね。せっかくですけどごめんなさい。」


「そんなぁ。たしかにみんな多少強引ですが、

お姫様扱いしてくれるので絶対楽しめますよ?」


「いや別にお姫様扱いされたくないですよ⁉︎

それに知り合いの退魔師の男の子は普通に仲良くしてくれる感じなので、

ひかりちゃんや沙雪が可愛いからお姫様扱いしてくれてるのだと思いますけど。」


「あれっ、夏希ちゃんは魔法少女になるまで普通の生活をしてたって聞いてますけど、

もう退魔師の男の子の知り合いがいるんですか?」


「魔法少女になる前に欠片の獣から助けてくれた男の子がいて、今も仲良くしてくれているんです。」


(えっ。夏希ちゃんはもう運命的な出会いをしているの⁉︎

見てみたい‼︎)


我慢が出来なくなってしまった光は見に行くことにした。


「その男の子のおかげで私達は夏希ちゃんに出会うことができたんですね。一度会ってみたいです。」


「待ちなさいひかり、あんまり迷惑をかけたらダメ‼︎相手の都合も考えなさいよ。」


そう言ってくる沙雪をあしらう事はひかりには簡単な事だった。


「じゃあ私だけ夏希ちゃんのおうちに遊びに行きますね。沙雪ちゃんはお留守番かな?」


「えっ。…ずるい私も夏希と遊びたい。」


夏希は2人の先輩からの遊びの誘いは断れず、

後日に、達也を含めて遊ぶことになったのだった。








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