第7話 夏希は魔法少女の友達が出来る
日曜日になった。
今日は魔法少女の力の使い方の講習と実戦訓練があるので、夏希は少し早めに起きると、すでに姉が起きていた。
「美咲お姉ちゃん、おはよう。」
昨日から美咲をお姉ちゃんと呼ぶ事にした夏希。
妹を可愛くしないといけないと使命感を持っていろいろと調べてくれている姉の気持ち応えたくて、
夏希はまずは言葉使いから女の子っぽくしていこうと思っている。
その一歩目が呼び方をお姉ちゃんにする事だった。
「おはよう。ほら、夏希も豆乳飲んで。
朝食が終わったら美容体操だからね。
安心して、10分くらいの簡単なやつだから。」
パンを豆乳で流し込みながら頷く夏希。
どうやら昨日の今日で美容体操という項目が追加されたようで、今後も美容習慣が増えていくと続けられるかちょっと不安になる。
とりあえず2人でスマホで確認しながら美容体操を終わらせた。
美容体操が終わると実はしゃべる青ヘビだったニョロナがやってくる。
「今日はワシも連れて行ってもらうぞ。」
「ニョロナちゃんもくるの?どうやって連れて行こう?」
「私のリュックを貸してあげるわ。」
美咲にリュックと日差し避けにキャスケット帽も借りる。
ニョロナにはリュックに入ってもらい、
袖がゆったりとしたデニムのシャツにレギンスを合わせてスニーカーを履く。
「じゃあ美咲お姉ちゃん、講習に行ってくるね。」
電車を乗り継ぎ妖魔対策局のビルに到着すると、約束の時間より40分早いにも関わらず、
宮園梅子といっに講師をしてくれることになっている魔法少女2名がすでに待っていた。
「お待たせして申し訳ありません。雷雨の魔法少女の竜ヶ崎夏希です。
おふたりとも、今日はよろしくお願いします。」
「こちらが早く着きすぎただけだから気にしなくていいわよ。
私は魔法少女スノーウィーマウンテンよ。
夏希ちゃんが魔法少女の時はサンダーストームと呼ばせてもらうわ。」
膝丈の白いローブのような衣装の魔法少女が挨拶を返してくれる。肩まで伸ばした黒髪が艶やかで美しい少女だ。
「サ、サンダーストームですか?」
「何よ、文句あるの?
私と夏希は年齢も近いし、仲良くやっていきたいからあだ名を考えたのに。
雷雨って日常会話で使わないでしょ?
絶対サンダーストームのほうがわかりやすいわ。
それとも何かしてほしい呼び方があるならそっちにするけど?」
「いえ、呼ばれ方に特に希望はないので呼びやすい名前で呼んでください。
魔法少女になりたての私ですが、どうか仲良くしてください、スノーウィーマウンテンさん。」
夏希が笑顔で挨拶すると、スノーウィーマウンテンもばあっと笑顔になる。
「サンダーストームは素直でいい娘だわ。モーニングデューも見習いなさいよ。」
「私だって素直ですよ、沙雪ちゃん。
はじめまして夏希ちゃん。
あちらの
緑色のドレスのような衣装のもうひとりの魔法少女が名乗った、栗色の髪をシニヨンに纏めており、優しい微笑みを浮かべる可愛らしい少女だ。
「いきなり本名をバラすなー⁉︎
魔法少女名で呼び合うような気やすい感じになったら友達になってくれるかもしれないのにー‼︎」
「ひかりさん、よろしくお願いします。仲良くもらえたら嬉しいです。
それと沙雪さん、いえ魔法少女のお姿の時はスノーウィーマウンテンさんのほうがいいですか?
呼び方は関係なく、ぜひお友達になっていただけたら嬉しいです。
光さんもお友達になっていただけますか。」
「友達になったからには堅苦しい呼び方なんてしなくてもいいわ。普段の私は沙雪ってよんでね。」
ぷりぷり怒っていたスノーウィーマウンテンだったが、夏希の言葉を聞いて再度笑顔になるのだった。
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