第5話 peepな吸血鬼

なんども脈は上下に揺れているのに、それ以上の速さを求めていた。速めている自分がもどかしいのか、遅すぎる脈がもどかしいのかさえわからないぐらいに、嘗めあった。


からすは「…先にいきたい」と言った。私はめずらしいのねと言って彼女の乳首に舌をあてていいのよ と言ってあげた。


…数時間後、私達はいつもの行きつけのホテルに親近感がわいていた。天井は黙りこけていて何も話さなかった。そして相変わらず暗い窓ガラスからは、国の言葉じゃない言語が飛び交う。


私は言った。

「何か悲しい事でもあったの?」からすは私を強く抱きしめながら「どうして?」と聞き返した。「…今夜のからすさんはなんだか焦ってたから、まるでペリカンのように急いで魚を咥えているような…」「酷いね。私はペリカンなの…」とあきれた声をだした。


「例えです…」と言って優しく胸にきすをした。「いやさ…このピアス外そうか悩んでてさ」「鼻のぴあす?…可愛いいのに」。


「でも、今日母さんに会いにいったんだ…」

彼女の吐息は少しだけ浅く感じた「そしたら、怒られた…なんなのこれ?つてさ」それだけ?「…まあね」。すこしの違和感を感じながら「つけててほしい」と私は言った。


「どうして?」それが私にとってのあなただから…とは言わなかった。「どうしても」

からすは頷く「いいよ。そういうなら」


窓ガラスに軽く鈍い音がした。それは真っ赤な色をした服だと思われる。私はそれを眺めながら言った。「赤い色みてるとね…」。


「この私もあなたも、含めて目を覆いたくなるものの産物だな…ておもうの」からすは寝言をたてている。眠ってるのだろう…構わず私は続ける。「だから…」私はからすの寝息を確認したから、言ってみた。


「あのbarで、あなたを見つけられたのかもしれない」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

からすとふくろう @maknto426

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ