第9話 学校に行こう①
ご飯を食べ終えた私たちは休む暇なく、学校の準備をして学校に向かう。
唯一ゆっくりとしていたのはまだ学校の始まらない舞姉さんと、時差出勤で夜遅くに帰ってきた伯父さんは未だに疲れて寝ている。
そんな二人を置いてという感じで、私と悠里と乃絵ちゃんは家をでる。
伯母さんは先に仕事に向かっている。
学校は家の近くで、私たちは徒歩で学校に向かっていた。
「あの、美佳おねえちゃん。あれはちゃんとつけましたか?」
そう言った乃絵ちゃんは私の胸元を見ていた。
「つけてるよー。触ってみる?」
「も、もう触らないよー」
だからそんな乃絵ちゃんをからかってみたのだけれど、その効果は予想以上にあったらしく、乃絵ちゃんはそっぽを向いて恥ずかしがった。
あー、乃絵ちゃんカワユス。
「こらこらからかわないの」
そしたら悠里に怒られた。
いつも家でやっている、やりとりを行いながら学校に向かっていく。
学校にほど近くなると横にいる二人の雰囲気が変わる。
私も先ほどよりも少し身を引き締める。
「おはよう、乃絵ちゃん」
横を通り過ぎようとしていた中学生の男の子が乃絵ちゃんに挨拶をして、乃絵ちゃんも笑顔でおおじる。
「おはようございます」
そこには優しげな笑顔が浮かんでいる。
「おはよう、悠里さん」
今度は悠里の方に高校の女の子が挨拶をして、悠里も笑顔を作って。
「おはよ」
そにはにこやかな笑顔が浮かんでいた。
そう、ここでわかると思うように、乃絵ちゃんは家では甘えん坊の中学生だけど、外に出ると優しいお姉ちゃんのようなキャラになり、悠里は家ではお菓子作りが好きで家ではよく本を読んでいるような文学少女だけど、外に出ると運動をメインに行う少し体育会系で部活も陸上部に入っているというキャラになる。
家と違うキャラに萌えるけど、私含めてまだまだ本当の自分を前にだすのが下手な家族たちだった。
ちなみに私はというと、全力の営業スマイルです。
360度どこを見てもね。
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