第418話 ギラギラ老人の子守唄
ダイラ: クワヤマダくん、未来の2050年を覗いてきたんだけど、街中が「ギラギラハートの子守唄」で溢れてたよ。いや、老人たちがギラギラしすぎてるって話なんだけど。
クワヤマダくん: 待て待て、その曲って昔のアイドルが歌ってたやつだろ?なんで老人たちがそんなの歌ってんだよ?
ダイラ: そこがすごいんだよ。彼ら、脳が膨張して知識と記憶力が爆発してるんだけど、心のどこかに「ギラギラした青春」を取り戻したいって願望があるらしい。だからデモ行進のテーマソングがその曲なんだ。
クワヤマダくん: デモ?老人たちが?何を要求してんだよ、そんな青春の歌をバックに。
ダイラ: 「後期高齢者医療の完全無料化を!」「老人大学院の設立を!」「博士課程も無料に!」ってね。さらには「我々の墓を前方後円墳にしろ!」って叫びながら早朝から街を行進してんの。
クワヤマダくん: 前方後円墳!? いやいや、土地が足りないだろ!しかもデモ行進で歌いながら?それ絶対ジワる。
ダイラ: しかも東大を占拠して、「老人の知識革命だ!」って大学紛争みたいなことを始めたんだけど、彼ら、体力が追いつかないからね。お昼には「ちょっとお茶にしましょう」とか言ってデモそっちのけでお茶会始めちゃう。
クワヤマダくん: それで紛争の勢いが落ちるとか、可愛いけどシュールすぎるだろ。
ダイラ: さらに面白いのは、デモの途中で「ギラギラハートの子守唄」を合唱し始めるんだよ。「俺たちはまだ終わらない!」って。でも疲れ切って、そのままベンチで昼寝したりして、警察が「お疲れ様です」って補導してる。
クワヤマダくん: それもうテロじゃなくて、老人版の文化祭だな。
ダイラ: そうだな。でもさ、彼らの要求ってただ無茶苦茶なだけじゃなくて、言語能力や知識が桁違いに高まってるから議論がとにかく深いんだよ。「未来の社会に必要な墓の形とは何か」とか、「教育は何歳まで可能か」とか。若者たち、もう全然ついていけない。
クワヤマダくん: なるほど、知識で若者を圧倒する感じか。だけど、それってちょっと迷惑でもあるよな。若者の居場所、どんどん取られそうじゃん?
ダイラ: 実際そうなんだよ。老人たちが「まだ学び足りない」とか言って若者たちの大学枠を奪っちゃうから、若者たちが「老人大学院の新設を!」って逆にデモしてたくらいだよ。
クワヤマダくん: それ、完全に老人反抗期だな。いや、むしろ「老人青春期」か?
ダイラ: 面白い言い方だね。でも、あれを見てると「反抗期」は若者だけのものじゃないんだなって思ったよ。未来では、人生のどの段階でも新しい挑戦をしたいって思う心があるんだ。
クワヤマダくん: そりゃそうだろ。俺だって歳をとってもラーメン食べながらタイムマシンで冒険していたいもん。
ダイラ: 確かに。未来の老人たちの姿を見て思ったけど、「ギラギラハート」って言葉、歳を重ねても必要なのかもしれないね。あの曲、案外哲学的なテーマを持ってるのかも。
クワヤマダくん: 「ギラギラハートの子守唄」、ちょっと聴き直してみようかな。それ、未来の俺たちへの応援歌かもしれないな。
二人は未来の老人たちのギラギラぶりを思い出して笑い合いながら、タイムマシンに乗り込んだ。
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