第415話 日大芸術学部の存在意義
ダイラ: クワヤマダくん、フランスでAI映画祭があったの知ってるか?参加条件は「AIを用いて映画を作ること」だってさ。世界中から267作品が集まったらしいぞ。
クワヤマダくん: AI映画祭?またすごい時代になったな。で、どんな映画が注目されたんだ?
ダイラ: 審査員賞を受賞したのは、22歳のエラさん。舞台は1970年代のアルジェリアなんだが、驚くべきはこれ、撮影ゼロ。全部AIで生成した映像だってさ。「歩いている人物」「1970年のアルジェリア」ってパソコンに入力したら、1分で5秒の動画ができるんだって。2〜3週間で完成したらしい。
クワヤマダくん: 撮影ゼロ!?それって、もはや映画って言えるのか?撮影隊の汗や努力、現場の空気感を削り取ったものじゃないのか?
ダイラ: まあ、そうとも言える。でも審査員長のジャン=ピエール・ジュネ監督、「アメリ」の監督だぞ、彼があんぐりするほど驚異的な作品だったらしい。「称賛しないわけにはいかない」って言ってたくらいだ。
クワヤマダくん: それって、映画界の転換期だよな。でもさ、こんなことが当たり前になったら、フランスの俳優や声優はどうなるんだ?ブリジットさんって声優が「私たちは家にいて働かなくなる」って心配してるみたいだけど。
ダイラ: そうだよな。文化の変化っていつだって痛みを伴う。政府に法規制を求めてる声もあるけど、結局AIは「新しい文化」を創るのか、「これまでの文化」を壊すのか、映画界全体が模索中なんだろうな。
クワヤマダくん: でも、これさ、映画制作の民主化って言えるんじゃないか?エラさんみたいに部屋の中で映画が作れる時代なんて、昔は想像もできなかっただろ。
ダイラ: 確かに。これまでの映画って、日大芸術学部出て、助手でこき使われて、制作費集めに奔走して、ようやく一本作るものだった。それが今や、パソコン一台あれば実現できる。スピルバーグや黒澤明が数億円かけて作る映画と、同じ舞台に立てるんだ。
クワヤマダくん: でも、そんな世界が来たら、「現場のリアリティー」とか「人間の情熱」みたいなものが消えちゃうんじゃないか?映画って単なる映像じゃなくて、作り手の魂がこもってるからこそ感動するんだと思うんだけどな。
ダイラ: それも一理ある。でも考えてみろよ、AIが作った映画が全く感動を呼ばないってわけじゃないだろ?人間のデータを学習して、「感動の方程式」を叩き出すAIもいるわけだ。むしろ、観客の心に刺さる映画を作れるのは、下手したらAIかもしれないぞ。
クワヤマダくん: なんだか複雑だな。でもさ、もし俺たちの「ダイラ物語」の映画をAIに作らせたらどうなるんだろう?
ダイラ: 面白そうじゃん!「未来の地球」「異星人との友情」「哲学的なアート対話」ってキーワードを入れたら、AIが何を作るか見てみたい。そんで、出来上がった作品に「いやいや、俺はこんなこと言わないよ!」ってツッコミを入れるのも楽しそうだ。
クワヤマダくん: それって、人間とAIの新しいコラボレーションだな。AIが作ったものを俺たちが修正して、さらに良いものにする。映画制作の進化系じゃないか?
ダイラ: そうだな。AIによる変革は避けられないけど、人間のクリエイティビティが消えるわけじゃない。むしろAIを道具として使って、より深い物語を作り続ける。俺たちもそうしようぜ。
クワヤマダくん: よし、まずはAIに「ダイラ物語」を作らせてみよう。未来の観客が何を求めてるか、俺たちで確かめてやる!
(二人はAI映画制作の可能性と未来を語りながら、新たな物語の形を模索していく。映画という枠を越えた人間とAIの共存のビジョンが、二人の対話から浮かび上がるのだった。)
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