第414話 あいつの作品が?
ダイラ: クワヤマダくん、未来から戻ってきたばかりだけど、驚くべき光景を見てきたんだ。
クワヤマダくん: また何かすごいことを発見したのか?今度はどんな未来だったんだ?
ダイラ: 彫刻がね、ただの美術作品を超えた存在になっていたんだ。人々と感性を共有し、語り合うだけでなく、癒しの匂いや超音波を放つ彫刻が生活の一部になっていたんだよ。
クワヤマダくん: 癒しの匂いや超音波?それって、まるで生き物みたいじゃないか。どうしてそんな機能がついたんだ?
ダイラ: 彫刻がAIを搭載していて、人々の感情や体調に合わせて応じるんだよ。たとえば、疲れた人が近づくと、彫刻からは森林を思わせる香りが漂って、耳には自然の音のような心地よい超音波が響くんだ。
クワヤマダくん: それはまさに癒しそのものだな。でも、未来の人々はそんな彫刻をどんなふうに使っていたんだ?
ダイラ: 面白いのは、使うというよりも、彫刻と「共にいる」という感覚だったことかな。彫刻と語り合ったり、触れ合ったりして、心を癒し、元気をもらっていたんだよ。まるで親しい友人と一緒にいるようだった。
クワヤマダくん: 語り合う彫刻か…それってまるで、あいつが作ってるあの謎の作品みたいだな。
ダイラ: そうなんだよ!実は、未来の彫刻を見て、あいつが今作っている作品もいつか、そんな存在になるんじゃないかって思ったんだ。
クワヤマダくん: あいつの作品が?でも今は、どこから見ても中途半端な謎のオブジェだぞ?
ダイラ: 確かに、今はまだ形も未完成だし、動きもしない。ただ、あいつの作品には人々と感性を共有できる何かが宿ってる気がするんだ。未来では、あれが超音波を放ち、匂いを漂わせ、人々の心を癒す存在になっているかもしれない。
クワヤマダくん: そう考えると、今やってることも無駄じゃない気がしてきたな。でも、未来の彫刻はそれだけで終わらないだろ?
ダイラ: もちろん。未来では、彫刻が人々の記憶を保存したり、夢を共有する役割も果たしていたよ。僕たちの作品も、いつか人々の過去と未来をつなぐ架け橋になるかもしれないね。
クワヤマダくん: 面白いな。あいつが作ったものが、何百年後に未来の人々と感性を共有し、癒しを与える存在になってるなんて、ちょっとロマンがある。
ダイラ: そうだよ。だから、今は謎めいた形であっても、そこに込めた思いは必ず未来で形を変える。それが人類の芸術の力なんだ。
(二人は謎の作品を眺めながら、それが未来でどんな形になり、人々とどんな交流を生むのか想像し、創作への情熱をさらに燃やした。)
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