ニャンコダイラ
第411話 大喜利バナナ
(ダイラ、ギラギラに光るスーツを着て、ポップアップギャラリーの白い壁の前に立つ。背後には9億円のバナナが堂々とテープで貼られている。)
ダイラ:「ようこそ現代アートの最前線へ!さあさあ、目の前にあるのは、ただのバナナ――いや違う!これはアート界の王様、『9億円のバナナ』!別名、『壁に貼られた希望の果実』!」
(観客がざわざわ)
ダイラ:「さあ考えてみてください、皆さん。このバナナ、たった数十円の果物が、壁に貼られるだけで9億円!これぞ現代アートの魔法!でも、なぜこれが9億円になるのか、不思議に思いませんか?」
観客:「確かに…」
ダイラ:「お答えしましょう!現代アートっていうのは、モノの価値を問い直す壮大な実験なんです。このバナナ、ただの果物に見えて、実は“資本主義社会の縮図”なんですよ!」
(観客「えっ?」と首をかしげる)
ダイラ:「ほら、皆さんも日々悩んでるでしょ?これは本当に価値があるのか?これにお金を払うべきか?でもね、現代アートはこう言うんです――“価値はあなたが決めるものだ”!」
(観客がうなずき始める)
ダイラ:「そしてこのバナナ、イタリアのアーティスト、マウリツィオ・カテランが、『価値ってなに?』って問いを投げかけた作品なんです。9億円の値段がついた瞬間、これは果物でも食べ物でもなく、“人類の問いそのもの”になったんです!」
(観客「おお~!」と感嘆)
ダイラ:「でもね、9億円のバナナが示すのはそれだけじゃない。壁に貼られたこの果物、実は人類の歴史そのものなんです。バナナは古代の冒険者たちが海を渡って広げた希望の象徴。そして現代では、資本主義のアイコンになった。まさに“人類史のポストイット”!」
(観客が笑いながら拍手)
ダイラ:「そして極めつけがこれです。このバナナ、落札したのは仮想通貨企業の創業者ジャスティン・サン!つまりこれは“デジタル通貨時代のモナリザ”なんですよ!」
観客:「モナリザ!?どういうこと?」
ダイラ:「つまり、仮想通貨みたいに、目に見えないものに価値がつく時代を象徴してるんです。このバナナを見れば、あなたも『次は何に価値がつくんだろう?』って考えざるを得ない!」
(観客が真剣にうなずく)
ダイラ:「そして、最後に言いたいのはこれ!現代アートっていうのは、全員参加型の大喜利なんです。みんなが“なんでこれが9億円?”ってツッコむことで、このバナナは完成する!」
(観客大爆笑)
ダイラ:「さあ、このバナナ、9億円ではありません。今日だけ特別!皆さんの“なんで?”という問いを投げかけるチャンス、プライスレス!ぜひ写真を撮ってSNSにアップして、あなたの哲学を広げてください!」
(観客、大いに沸きながら写真を撮り始める)
ナレーション:「こうしてダイラのバナナ叩き売りショーは、現代アートを通じて人々に笑いと問いを届け、時代の象徴となった。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます