第381話 笑えない喪黒福造

契約の夜

喪黒福造:「フフフ……ようこそ、お二人さん。このバブルの街、心躍るでしょう?」


クワヤマダくん:「すげぇな!なんかさ、夢が現実になりそうな気がする!」


ダイラ:「妙な感じだな。この熱気、どう考えても長く続くとは思えないけど……。」


喪黒福造:「あぁ、それがいいんですよ!人生は一瞬一瞬の快楽の連続。それに、今はどんな夢でも叶えられる特別な夜です。」


クワヤマダくん:「え?本当かよ?……じゃあ俺、ずっとやりたかった鼻毛と耳毛が繋がった頭像を世界的なアートにしてみたい!」


ダイラ:「……お前、どうしてそういう発想に行き着くんだ?」


平さん:「悪くない!バブル時代ってのは、どれだけバカなことができるかが勝負だからな。」


喪黒福造:「素晴らしい。あなたにはその才能がある!さあ、この契約書にサインするだけで、その夢が叶いますよ。」


契約の瞬間

(喪黒は怪しげな契約書を広げ、二人に差し出す。)


ダイラ:「これ、大丈夫か?何か裏がありそうだが……。」


喪黒福造:「ご安心を。『ギミア・ぶれいく』でおなじみの笑ゥセぇるすまんの私が保証しますよ。お決まりのドーンはありませんから。」


クワヤマダくん:「あの深夜テレビで見たやつか!ドーンがないなら安心だな、サインするぜ!」


平さん:「まぁ、人生一度きりだ。失敗もネタになるさ。」


(クワヤマダくんは迷いなくサインする。)


夢の果て

(契約が成立すると、クワヤマダくんの鼻毛と耳毛が繋がった頭像が世界的な大ヒットを記録。美術館や展示会で引っ張りだこになり、街中が彼の作品一色に染まった。)


クワヤマダくん:「見ろよ、ダイラ!街中に俺の頭像があるぞ!まさかこんな日が来るなんてな!」


ダイラ:「本当に実現するとはな……。」


平さん:(皮肉な笑い)「これがバブルの魔力ってやつだ。上り調子の時はなんでも輝いて見えるからな。」


バブル崩壊と裏切りの真実

(だが、バブルは突然崩壊。クワヤマダくんの頭像も忘れ去られ、投資家たちが次々と手を引いていく。展示されていた作品は無惨に廃棄された。)


クワヤマダくん:「なんでだよ!俺の頭像、あんなに人気だったのに……。」


(そのとき、ニュースが流れた。)


アナウンサー:「速報です。『ギミア・ぶれいく』に登場した笑ゥセぇるすまんこと喪黒福造が、詐欺容疑で逮捕されました。彼は虚偽の契約で人々を騙し、金銭を巻き上げていたとのことです。」


クワヤマダくん:「な、なにィ!?あいつ、ただの詐欺師だったのかよ!!しかも、鼻毛と耳毛が繋がって笑えなくなってる!」


ダイラ:「だから言っただろう。テレビで見たからって信用するなって……。もしかしてこれが幻のエアドーン?」


平さん:「ハハハ!さすが喪黒福造だよ。夢みたいな話は、最後に必ず悪夢になるのさ。」


クワヤマダくん:「でも、あの瞬間、本当に楽しかったんだよな。鼻毛と耳毛の頭像が世界に認められるなんて、人生一回しか味わえないだろ?」


ダイラ:「まあな。夢が嘘でも、楽しんだ気持ちは本物だ。それが幻だとしても。」


平さん:「それが“イキガイ”ってやつさ。結果はどうあれ、楽しんだ瞬間に意味がある。」


次の夢へ

(彼らは夜の街を歩きながら、次の冒険に思いを馳せる。)


クワヤマダくん:「よし、次はもっとスゴい夢を探すぞ!」


ダイラ:「次はもう少し慎重に行こうな。」


平さん:「ま、どうせまたおかしなことになるだろうがな。それが面白いんだよ。」


(3人は笑いながら、バブルの幻のような街を後にする。)


夢と現実が交錯するこの街で、彼らは学んだ。

たとえ夢が消えても、楽しんだ瞬間こそが人生の宝物だということを――。


次の夢を追いかけながら、彼らは笑い続ける。

なぜなら、イキガイとは、夢が終わる瞬間まで楽しむことだから。


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