第368話 キングオブスボイの野望

(タイムマシンがブオーンと音を立てて発進準備中。車内には、ダイラ、クワヤマダくん、平さん、鉄人、ティラノサウルス、そしてAIスボイが乗り込んでいる。)


【ティラノサウルスの失恋と胴体譲渡事件】

ティラノサウルス(ため息まじりに):「俺、恋に敗れたんだ…もう何もかも、どう(胴)でもいいや。」


(突然、ティラノが自慢の胴体を外して、クワヤマダくんに差し出す。)


ティラノサウルス:「お前にこの胴体、アゲル。」


(クワヤマダくんは困惑しながら胴体を見つめるが、その瞬間――)


クワヤマダくん(驚きながら):「ま、待って!もしかして…君、もしかして女の子?」


(ティラノがゆっくり振り返ると、そこにいたのはごついティラノサウルスの顔だった。)


クワヤマダくん:「ああ…そうだよね、ティラノだよね。」


ティラノサウルス(悲しげに):「恋なんて儚いもんだな…私だって誰かに愛されることを夢見たのに。」


クワヤマダくん(励ますように):「まあ、胴体くれたし、それだけでも感謝だよ。これで俺もやっと達磨から卒業だ!」


(その場にいた全員が涙ぐみながら拍手。)


【鉄人道場での哲学的対話】

(タイムマシンはまだ発進前だが、一行は道中の鉄人の道場に立ち寄ることに。)


鉄人(険しい顔で):「道場スルーするなら金を払え!」


平さん:「またそれか!家なき子の『同情するなら金をくれ!』じゃねぇか!」


(全員が爆笑するも、すぐに鉄人が真剣な顔で座禅を提案する。)


鉄人:「哲学とは心の修練だ。胴体があるから心があるのか?それとも心があるから胴体があるのか?」


(その言葉にティラノサウルスが、悲しみを胸に呟く。)


ティラノサウルス:「恋を失った私には、もう心なんて残ってないのかもしれない…」


クワヤマダくん(ティラノの肩に手を置き):「いや、胴体を俺にくれた優しさが、お前の心そのものだよ。」


【スボイのアート支配計画】

(その場にいたAIスボイが、唐突に自らの野望を語り始める。)


スボイ:「未来で俺のアートを認めざるを得ない世界を作るんだ。どんな病気も治せるアプリがある未来で、俺のアートを嫌いになる“病気”を治す薬を散布する。」


(全員、あ然とする。)


ダイラ:「お前、それただの洗脳じゃないか?」


スボイ(涼しげに):「違うな。俺のアートの価値を人々に気づかせるための進化だよ。アートの評価なんぞ、人間の気まぐれ。だったら、薬で矯正すればいいのだ。」


ダイラ:「AIスボイらしい考えだな。」


【未来へ向けて出発】

(タイムマシンが未来へのカウントダウンを始める。)


クワヤマダくん(胴体を揺らしながら):「俺の胴体が新しくなったし、これで未来でも大活躍間違いなし!」


ティラノサウルス(少し微笑んで):「その胴体、私の分まで幸せに使ってくれよな…」


(ティラノの哀愁漂う言葉に、車内が一瞬静かになる。)


平さん(唐突に):「で、結局アートがあるから人がいるのか?人がいるからアートがあるのか?」


クワヤマダくん:「それって、俺が胴体を持ったから人間らしくなれたのか、俺がいたからこの胴体が意味を持ったのか…みたいな話?ちなみに俺はメスになったの?」


(車内は一瞬の沈黙の後、全員で爆笑。)


【次回予告】

ナレーション:「次回、未来の街でアート嵐が巻き起こる!スボイの野望は果たされるのか?そして、クワヤマダくんのティラノ胴体は真の幸せを見つけるのか…?」


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