第353話 イーロンマスクメロンの罠
2050年、火星に迷い込んだダイラとクワヤマダくん。二人は赤い大地をさまよい、頭上には青くかすかな地球が見える。「これが火星か…本当に俺たち、やって来たんだな」とダイラは驚きつつ、火星探検に心を踊らせていた。しかし、一緒に来ているクワヤマダくんは胴体が見つからないままで、顔だけが浮かんでいた。「おい、胴体を早く見つけないと、ここでオレはどうやって動き回るんだ!」とクワヤマダくんは嘆くが、ダイラは無視して進んでいた。
そんな中、奇妙な老人がふらりと二人の前に現れた。老人はどこかクレイジーな雰囲気を漂わせながら、自分を「イーロン・マスク・メロン」と名乗った。「お前たち、火星に来たのか。じゃあ俺の火星ツアーに参加しろ。特別に案内してやる」と、自信満々に言い放つ。
ダイラとクワヤマダくんは、その名に違和感を覚えながらも、案内されるままに付いていくことにした。イーロン・マスク・メロンは自称イーロン・マスクの親戚だとか、分身だとか言っていたが、その言動はどうも怪しい。しかも、火星に移住したイーロン・マスクのことは有名だが、この老人の様子は、まるで「火星病」にかかっているかのようだった。
「ダイラ、あいつ大丈夫なのか?」とクワヤマダくんは不安そうに囁くが、ダイラは「まあ、火星人に会えるなら少しぐらい怪しくてもいいさ」と気に留めない。二人は火星人に会うため、老人の後を追い、赤い大地を進んでいった。
しかし、歩いている最中、急に頭上から火星にはありえないものが落ちてきた。「え!?これライトじゃないのか?」と驚くダイラ。ライトが地面にぶつかり、砂ぼこりが舞い上がる中、二人はようやく気づいた。ここは火星ではなく、ハリウッドに特設されたセットだったのだ!よく見ると緊急避難経路も示されていた。
「ちょっと待て、これが火星じゃないってどういうことだ!」とクワヤマダくんが叫ぶ。イーロン・マスク・メロンは、ケタケタと笑い、「まあ、アポロ計画もこのセットで特撮したとか、しないとか…って噂を聞いたことないか?」と怪しげに語り出した。
「なんだよそれ!俺たち騙されたのか!」とクワヤマダくんが怒るが、その時、懐かしい声が響いた。
「はっはっは、やっとお前たちに追いついたぞ!」背後から現れたのは、なんと平さんだった。どうやら特撮に興味を持った平さんが、こっそり二人を追ってきたのだ。「ここがアメリカの特撮現場か!おい、クワヤマダ、次はお前をゴジラに仕立てて撮影するぞ!」と平さんは目を輝かせて叫ぶ。
「ゴジラVSクワヤマダくんか…でも俺、顔しかないぞ!」とクワヤマダくんは混乱するが、平さんは全く気にしていない。「細かいことはどうでもいい!お前のその顔だけでも十分だ!巨大な着ぐるみの胴体を付けて、お前を特撮界のスターにしてやる!」と盛り上がる。
しかし、そんな騒ぎの中、突然セットが揺れだし、謎の巨大な影が現れた。火星の特撮セットのはずが、まさか本物のゴジラが現れたのか?それとも、またしても平さんの仕業か?
次回、「ゴジラタイクワヤマダくん」撮影開始!果たして、火星病にかかったイーロン・マスク・メロンの正体は?そして、本物のゴジラがこの特撮現場に現れるのか?次回もお楽しみに!
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