第348話 アンコール・クワヤマダ・トム

ダイラは、時空の修正に手こずりながらもクワヤマダくんと平さんを時空の海に落とす計画を実行した。しかし、事態はさらにカオスな方向へ。時空の海に放り込まれた二人は、持ち前の無駄なエネルギーを爆発させてしまい、そのせいで時空が濁り始めた。時空の歪みは予想以上にひどく、あたりはくすんだ不透明な波が押し寄せ、ついにアンコールワット王朝時代に飛ばされてしまった。


二人が気づいた時、目の前には巨大な寺院がそびえ立ち、その周囲では彫刻家たちが建築家と共にデザインに頭を悩ませていた。石造りの寺院は見事なものであったが、彼らは一つの決定的な要素を欠いていた。すべての顔が、どこか物足りないのだ。


そのとき、顔だけのクワヤマダくんが突然現れた。


「おい、胴体はどうなったんだ?」クワヤマダくんが叫んだが、彫刻家たちは彼の顔を見て、まるで天啓を受けたかのように声をあげた。


「これだ!この顔こそ、我々が探していたものだ!」彼らは歓喜に包まれ、クワヤマダくんの顔をアンコールトムの巨大な顔のモデルにすることを即座に決定した。


「待て!俺、こんな顔をモデルにされるなんて聞いてないぞ!」クワヤマダくんは必死に抵抗したが、建築家たちは全く聞く耳を持たなかった。


その上、平さんは興奮した様子で彫刻家たちに近寄り、「鉄板のように石を張り合わせて顔をさらに巨大にしよう!」と提案した。彫刻家たちはそのアイデアに飛びつき、寺院の一部を覆い尽くすほどの巨大な顔を作り始めた。


「おいおい、俺の顔がそんなことになってるのかよ!?しかも石で…鉄板みたいに張り合わせるって、どういうことだ!?」クワヤマダくんは困惑しながら、平さんの創作意欲に火がついたことを察知した。


平さんは周囲を見渡しながら、「ここに来たのも何かの縁だな。石と鉄の融合、これは未来のコンタクトドームへのインスピレーションになるかもしれない!」と独り言をつぶやいた。


「平さん、俺の胴体を見つけるのが先だろ!」とクワヤマダくんが叫ぶも、平さんはその言葉を完全に無視し、さらなる創作に没頭していた。


次回、二人はこの不思議な時代をどう乗り越え、クワヤマダくんの胴体を取り戻すことができるのか?そして平さんの新たなアイデアが時空にどう影響を与えるのか…!


【次回予告】


時空の濁りは加速し、クワヤマダくんの顔は歴史的な寺院の彫刻に刻まれてしまう!?さらに、平さんのアイデアが新たな混乱を呼び起こし、二人の冒険はますます混迷を極める!次回『アンコールトムの巨大顔と石鉄板アート』、歴史の流れを変える壮大な創作劇にご期待ください!






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