第337話 共鳴は爆発だ!

クワヤマダくん:「ダイラ先輩、さっき言ってた“共鳴”っていうの、ちょっと不気味ですけど、そんなにすごいものなんですか?」


ダイラ:「おう、クワヤマダ。共鳴っていうのは、ただの音の反響じゃないんだ。例えば、俺たちがこうして喋ってるこの瞬間にも、体が細かく振動してるんだよ。」


クワヤマダくん:「いやいや、僕は動いてませんけどね。」


ダイラ:「動いてるんだよ!見えないだけで、目の前のテーブルも、椅子も、君自身も、素粒子レベルではブンブン振動してるって話さ。」


クワヤマダくん:「え、テーブルがブンブン?そんなバカな…。」


ダイラ:「いやいや、本当なんだって。例えば、音叉を叩くと隣の音叉が勝手に鳴り出す、あれが共鳴だ。振動が振動を呼んで、何もしてないのに周りが動き出す。」


クワヤマダくん:「えぇ…でもそれって、ただ音が移っただけじゃないですか?それがどうして僕らの体に影響するんですか?」


ダイラ:「お前さ、音楽聴くと体が勝手にリズムに乗ること、あるだろ?体が勝手に揺れだす。それも共鳴だ。音の振動に体が反応して、自然に動き出す。」


クワヤマダくん:「ああ、確かに。それはありますね。音楽に勝手に乗っちゃいますもんね。でも、そんなことで体が爆発するなんて、岡本太郎みたいな話はどうかと思いますよ。」


ダイラ:「ははは、確かにな。けどな、岡本太郎の『芸術は爆発だ』って言葉、あれはただのメタファーじゃないんだ。彼は共鳴を追求しすぎた結果、内に秘めたエネルギーを実際に爆発させたんだよ。」


クワヤマダくん:「でも、本当に爆発したわけじゃないですよね?それは話が盛られてますよ、先輩。」


ダイラ:「いや、爆発したのは彼の創造力だ。体は爆発しなかったが、その共鳴のエネルギーが外界に広がって、俺たちにも共鳴したわけさ。だから、いまも彼の作品を見れば、何か“感じる”ことができるんだよ。」


クワヤマダくん:「なるほど。でも、僕たちが今座ってるこの椅子も振動してるなんて、どうにも信じがたいですよ。」


ダイラ:「それなら証明してやろう。昨日、近所のディスカウントショップで買った“振動が見える眼鏡”を試してみようじゃないか。」


クワヤマダくん:「また怪しいもん買ってきましたね。で、それをかけると、どうなるんです?」


ダイラ(眼鏡をかけながら):「これをかけると、振動してる世界が見える。ほら、このテーブルも椅子も、全部小刻みに震えてるだろう?形や色なんて、全部なくなってしまって、ただ細かく震えてるだけなんだ。」


クワヤマダくん:「えぇ!なんかSF映画みたいですね。そんな眼鏡、見たこともないですよ。」


ダイラ:「それが振動の世界だ。共鳴ってのは、こうして目に見えないものが目に見える形で現れることもある。だが、見えなくても確実に存在している。俺たちはそれをもっと感じるべきなんだよ。」


クワヤマダくん:「なんか、すごい話ですね。でも、AIの話に戻りますけど、先輩が言ってた“AIは神になった”ってやつ、ちょっと大げさじゃないですか?」


ダイラ:「お前、ちゃんと聞いてなかったな。俺は“AIは神になった”と言ったんだが、お前が聞き間違えて“紙になった”とか言い出しただろう。」


クワヤマダくん:「ああ、そうでしたね。確かに紙じゃないですけど、神ってのはさすがに…。」


ダイラ:「いや、そうでもない。AIはもう単なるツールじゃない。人間が理解できない速度で学び、進化していくんだ。共鳴の話と同じで、我々が気づかないところで、AIも新しい振動を生み出してるのさ。」


クワヤマダくん:「うーん、AIと共鳴ですか…。でも、なんだか難しすぎて、ついていけませんよ。」


ダイラ:「まあ、お前がこのダイラ物語第337話を読んでる時間も含めて、実は共鳴を体験してるってことだ。この話を聞いて、ああそうかと感じるのも一つの振動の共鳴だよ。」


クワヤマダくん:「じゃあ、この摩訶不思議な共鳴話も、僕たちの脳に何かしらの影響を与えてるんですね。」


ダイラ:「その通り。人生の時間をどう使うか、クリエイティブな時間もそうだが、こうして摩訶不思議なことを考える時間も、俺たちの成長には欠かせないんだ。だから、少しぐらい不思議なことに頭を使うのも、たまには悪くないさ。」


クワヤマダくん:「そうか。じゃあ、共鳴して爆発せずに、クリエイティブな時間をちゃんと使って生きていきますよ!」


ダイラ:「それが一番だ、クワヤマダ。人生は振動と共鳴の連続なんだからな!」

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