第334話 光る傘
クワヤマダくん(漫画を指さしながら、深刻な顔で):
「兄ぃ、これ見てくださいよ。たつき諒さんが1998年に出版した漫画で3.11も予言してたってんです。2025年7月5日になんか起こるって、ちょっと怖いっすよ。小惑星の破片がフィリピン沖に落ちるって噂まであるんすから。」
ダイラ:
「おいおい、クワヤマダ。お前さん、そんなもんにビビってどうすんだよ。未来のことなんて誰にも分かりゃしねぇ。お前が知ってる、あの落語家も言ってたじゃねぇか、“人間ってのは、見えねぇもんにビビり過ぎなんだ”ってな。」
クワヤマダくん:
「でも、兄ぃ、今回はちょっと違うんじゃないですかね。予言って、3.11を当ててたんですから、今度も何かあるんじゃないかって気がして…。」
ダイラ:
「そりゃあ、当てることもあるかもしれねぇが、所詮は“夢物語”だ。あの落語家の噺、覚えてるか?“未来なんざ見えねぇからこそ面白ぇんだ”ってな。落語だって、どんなに怖ぇ話でも最後は笑いで終わるんだよ。」
クワヤマダくん:
「あぁ、確かにあの落語家、そんなこと言ってましたね。最後のオチが分かんねぇと、どこか安心できないけど、最後はちゃんと笑えるって…。でも、兄ぃ、今回ばかりは笑えねぇかもしれないっすよ。小惑星が落ちるなんて、あっしらにゃどうにもならねぇですし。」
ダイラ:
「小惑星が落ちるって?まぁ、そりゃ大ごとだ。でもな、お前さん、そんなのが落ちてきたってどうすることもできねぇだろ?俺たちは、そのオチを待つしかねぇんだ。あの落語家も言ってたじゃねぇか、“落語の面白さは、オチが来るまで分かんねぇ”ってな。」
ダイラの思い出話:
ダイラがかつて、江戸中を驚かせた特殊照明の話を始める。
ダイラ(懐かしそうに):
「そういや昔、俺が特殊照明を開発した時があったんだよ。江戸の連中はびっくりしてよ。“空から何か降ってくる”とか、“天狗の仕業だ”なんて、大騒ぎだったぜ。」
クワヤマダくん(驚きながら):
「えぇ?兄ぃ、そんな怪しげなもん作ってたんすか?そりゃ江戸の連中もビビりますわ!」
ダイラ(笑って):
「そりゃあ、見たこともねぇもんが降ってくるとなりゃ、誰だってビビるさ。だが、ネタがバレちまった途端に、みんな笑いやがった。落語のオチみてぇにな。“降って光る照明”だなんて神からの啓示かなと思ったら、おいらのアイデアだったってオチさ。未来の予言だってそんなもんよ。いざ起こってみりゃ、大したことねぇもんかもしれねぇ。」
クワヤマダくん:
「兄ぃ、そりゃあオチがつきましたね。江戸の連中を照明で驚かして、最後は笑いを取るなんて、まさに落語そのものっす。」
ダイラ:
「だからな、クワヤマダ。未来の予言だって、所詮は“光る照明”みてぇなもんだ。オチが来るまでは分かんねぇけど、来た時には案外笑っちまうもんさ。」
クワヤマダくん:
「でも兄ぃ、小惑星が本当に落ちたらどうすんです?あっしらにゃどうしようもねぇですし、ホントにやばいかも…。」
ダイラ:
「そん時はそん時さ。落語家の知り合いも言ってたろ?“怖ぇ話も、オチが来れば笑いになる”ってな。結局、どんな未来も、オチが来るまではただの“噺”さ。」
「未来の予言なんて、江戸っ子には怖ぇもんかもしれねぇが、どんな噺も最後にはオチがあるんだよ。江戸の“光る照明”みたいに、いざその時が来たら、大したことないかもしれねぇし、笑いに変わるかもしれねぇ。オチが来るまでは、気楽に構えてりゃいいってこった。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます