第239話 戦場のプラネタリウム
「いよいよ、戦メリとドムプラのコラボが実現したね。」
「サカモト教授が亡くなってから70年の時を経て、遂にこの日がきたか。」
「ダイラさんのドムプラが戦メリとの相性が抜群であることは、AIが予測していたもんね。」
「ただ、ドムプラの劣化が激しく、復元するのに時間がかかったようだ。」
「そうだよね、若き日のダイラさんが初めて溶接した部分のギトギト感は、3Dプリンタでもなかなか再現しきれなかったみたい。」
「あの緊張感とドキドキ感は表現するのはムズイ。結局、ムサビの彫刻科生に発注したんだろ。」
「最近の彫刻科は溶接なんかしないみたいだから、かなり苦労したらしい。」
「ドムプラの異様な反り方は、天才ダイラさんしかできないと、皆
「噂によると、男神輿を作っている最中に、同級生が揉めて、その弾みでイイ感じに反れたと聞いたことがあるよ。」
「そんなわけないよ。ダイラさんは精密な計算をして作っているはずだ。ドムプラの先端はパースを利かすために意図的に球体を小さくしているくらいだからね。」
「まぁそれにしても、教授は偉大な方だった。戦メリという曲は、人々に平和と希望をもたらす素晴らしいメッセージを持っていた。同様に、ダイラさんの作品も、自然と科学の融合を表現し、人々に未来への希望を与えている。」
「ドムプラが戦メリの音楽に合わせて動き、無数の銀河が現れることで、聴衆は自分たちが宇宙の一部であることを実感することができる。」
「また、このコラボレーションは、戦争と平和、自然と科学のテーマを探求する人々にとって、深い洞察をもたらすことになるかもしれない。これは、人々に、平和を追求するために科学と自然を活用することの重要性を思い起こさせることができる。芸術と科学、平和と希望についての新たな視点を提供することができるかもね。」
「天才たちが生み出すインスピレーションの掛け算は、計り知れないパワーを生むね。」
「サカモト教授の絶筆は12というスケッチだった。」
「インスピレーションで作った曲をそのままアルバムにした。過去に類を見ない作品だ。」
「教授が本当にやりたかったことをやったんだね。」
「12の音は、曲とも自然音とも言えない、まさに教授の耳が生み出す別次元の表現になっていた。没後70年経っても色褪せない。」
「全身ガンに侵されながらも精力的に作曲していた教授を想像すると胸が熱くなるね。」
★
「そのアルバム、宇宙旅行にぴったりのサウンドトラックになりそうだよね。」
「そうだね。このコラボレーションが成功すれば、宇宙船内で流れる音楽としても人気が出そうだ。」
「そうしたら、新たな宇宙旅行ブームが巻き起こるかもしれない。」
「その前に、ドムプラの修復とアップデートが必要だけどね。」
「確かに、ドムプラは70年以上前に作られた作品だから、最新の技術を取り入れる必要があるかもしれないね。」
「でも、その技術は、ダイラさんがいなくなっても彼が残した遺産として、今後も活かされることになるだろう。」
「そうだね。ダイラさんの作品は、彼の才能だけでなく、彼が長年かけて培ってきた技術や経験に基づいて作られているからね。」
「そんなダイラさんが、このコラボレーションに賛同してくれていると思うと、本当に嬉しいね。」
「彼は、自然と科学の融合をテーマにしていたから、戦メリとドムプラのコラボレーションには、彼の理念が色濃く反映されることになるだろう。」
「そうだね。そして、その理念は、私たちが今後の科学技術の発展においても、大切な指針となることだろう。」
「ダイラさんの魂は、私たちにとって、未来への希望となること間違いないね。」
「今回のコラボレーションが成功すれば、ダイラさんやサカモト教授の功績を後世に伝えることができるし、彼らの名声がより広がることになるかもしれないね。」
「私たちは、彼らの偉大なる遺産を受け継ぎ、今後も科学と芸術の融合を追求していくべきだね。」
「戦メリとドムプラのコラボレーションが、新たな芸術と科学の可能性を広げるきっかけとなることを願って。」
坂本龍一氏のご冥福をお祈りします
※ドムプラ:ドームのないプラネタリウム
※戦メリ:戦場のメリークリスマス
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