第225話 笑えない人
「ダイラさん、ジピッてばかりいないで、僕と雑談してくださいよ~。」
「ググる時代は終わり、今はジピる(ChatGPT)時代だね。今日も朝からジピり過ぎたら、OpenAI社から規制されちゃった。やり過ぎだから1時間待てだって。」
「ダイラさんは何をジピっていたのですか?」
「AIのお笑いのセンスが知りたくて、笑える一発ギャグを聞き出していたんだ。」
「それはAIが一番苦手な分野ですよ。あいつらの笑いはクール過ぎて笑えませんから。お笑いを生業にしている人たちは当てにしていないらしいですよ。」
「クワヤマダくんが以前にかました、布団が吹っ飛んだ!のギャグ、あれは最高だったね。」
「ダイラさんがあんなギャグで笑えるなら、AIでも充分に対応できるかもしれません。ちなみにどんなギャグがあったか教えてください。」
「①お風呂に入っているときって、なんでシャンプーが目に入るんだろう?シャンプーネーション?」
「これうけるよね。」
「全く面白さが分かりません。」
「②昨日、海辺でサーフィンをしていたら、突然シャークアタックに遭いました。でも、サーフボードを振り回して助かりました。やっぱり、ボードはサーフィンだけでなく、サバイバルにも使えるんですね!」
「きゃはは!とはなりません。」
「③なぜコンピューターは冷たいのか?だって、電気が通っているからだよ。」
「どういうことですか?」
「④昨日、ペットショップで犬を買おうとしたら、売り切れだった。なぜなら犬は、いつも「ワンワン」と言うから、昨日は「二二」と言ってたからです。」
「ダイラさん、辛くなってきました。脳が痛くなってきました。」
「まだまだ行くよ。次は知的で面白いギャク。」
「⑤知り合いに、最近地球が重く感じると言ったら、そりゃそうだよって返されたんだけど、何でだろうと考えたら、だって地球はたくさんの人々の重荷を背負っているんだもん!」
「⑥昔、僕はメガネをかけていたんだけど、今は掛け軸になりました。」
「⑦とあるカメラが『にゃんこ撮影モード』を搭載していたら、なんて写真が撮れたでしょうか? 『ニャッポーズ!』」
「⑧寒いと思ったら、カイロじゃなくてコロナだった!」
「ダイラさん、AIの割りに不謹慎ですよね。」
「そうなんだよ。AIもはめを外すことが分かったんだ。子どもにも分かるようにと説明を求めたら次はこんなギャグをぶち込んできた。」
「⑨サルでもわかると言われるほど簡単な問題があるそうですが、実際にサルに聞いたところ、答えを知っていたのは半分以下でした。やはり、サルでも難しい問題があるんですね!」
「⑩最近、オリンピックでトランポリン競技があるんだって。でも、私はあんな高いところでジャンプするのは怖くてできない。だから、私は低いところでジャンプしているんだけど、それでもトランポリンだと思って呼んで欲しいって言ったら、友達に『それはトランポリンじゃなくて、トランポリンじゃない』と言われたんだ。」
「このギャグは、『トランプのトラン』を『トランポリン』と聞き間違えるという言葉遊びをベースにしたものらしい。一見、トランプとトランポリンは関係ないものの、音の響きが似ていることを利用して、意外性や笑いを生み出しているみたい。また、現代の政治や社会に対する皮肉や風刺も込められているから、その点でも笑いを誘うポイントになっているのかな。」
「それはセーフなんですか?笑っていいのか迷いますよ。」
「⑪象さんが鼻を曲げた理由は何でしょうか?飛行機が鼻で着陸したから!」
「⑫アルマジロがピザを頼んだら、何を頼むでしょうか?カリカリ、チーズ・トッピング!」
「 ⑬ワニが日焼けした理由は何でしょうか?プールに入る前にクローゼットに帽子を忘れたから!」
「どうでしょうか?」
「う~ん。厳しいですね。日本人は誰も笑わないと思います。」
「⑭謎かけが苦手な人は何かわかりません」
「何かわかりません、というのは「ナンカワカリマセン」と同じ発音ですので、ちょっとしたユーモアが込められている。」
「解説されても今一ピンときませんね。」
「AI自身が爆笑できるギャグを最後に一発披露してくださいと聞いてみた。」
「期待値があまり上がらないのはなぜ?」
「⑮おにぎりにも種類があるって知ってた?三角になってるのと、まるくて小さいのがあるんだ。でも一番種類が多いのは『あさり』が入ってるおにぎり。なぜかというと、あさりおにぎりと読むと『明日来おり』って意味になるからだよ!」
「明日来(あすらい)おり」は、古くから日本で用いられてきた言葉で、「明日(あす)来るとも知れないし、来ないとも限らない」という意味合いがあるんだ。つまり、「明日は何が起こるか分からない」ということを表現する際に使われることが多い表現なんだって。面白いよね。AIは笑いのセンスがあるなぁ。」
「ダイラさん、僕は人間とAIが分かり合えない一端を見た気がしましたよ。」
「AIは人間の笑いを理解しながら、新しい笑いを提供しているんじゃないのかなぁ。」
「それは多分無いですよ。AIは日本人の笑いを全く理解していないと思われます。」
「そうだね。関西出身のスター・Mr.ハマーの面白さを超えるAIは誕生しないことは断言できる!」
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