AIダイラ
第211話 カリスマ爆発前夜
「雪が積もり、スキーシーズンが始まりましたね。」
「コロナも大部落ち着いてきたからか、ゲレンデに人が戻ってきて嬉しいわ。」
「スキー場と言えば、冬の女王、広瀬香美さんは今でも輝いているよね。」
「え?広瀬香美って胸に自分の仮面をぶら下げている人?」
「そうだよ。『ロマンスの神様』や『幸せをつかみたい』『ゲレンデが溶けるほど恋したい』は、今でも冬のパワーソングだからね。彼女はカリスマ中のカリスマだよ。」
「その歌が大流行したのは、何年前の話?」
「ざっと30年前だね。全く色褪せない。」
「ロスジェネ世代こわっ。失われた30年間ずっと同じ曲でしのいできた?そもそも広瀬さんは昔から、自分の仮面を胸にぶら下げて歌っていたの?」
「どうだったかなぁ。最近やり始めたんじゃないかなぁ。君の言う通り、ロスジェネ世代は30年間、同じリズムでリピートしてきたかもね。」
「あなた方は30年間、幽閉されていたようね。」
「広瀬さんは30年前の点と現在の点を結ぶために、あのお面をぶら下げているんじゃないかなぁ。過去と今を繋いでスケール感を出しているとか。当時、岡本太郎が全盛期で、あの胸にお面を置く感覚は太陽の塔をオマージュしているに違いないと思うよ。」
「誰が見ても、なんじゃこりゃ・・ですものね。」
「それは太陽にほえろ、ジーパン刑事松田優作の名台詞だよ。岡本太郎は、なんだこれはが正解!」
「どっちでもいいよ。何かうざい。」
「胸に顔をぶら下げることは、よく考えると奇妙な行為だね。カリスマ岡本太郎や広瀬香美がやっていることだから、疑問を持たなかったなぁ。」
「どっちも変でしょ。日本人はカリスマに弱いなぁ本当に!あれは裸の王様じゃん。顔二つはやべーからと誰か進言できなかったのかなぁ。」
「カリスマには何も言えないよ。50歳台はバブルを若い頃に経験しているから、基本的にイケイケな人が多いんだよ。」
「分かる気がする。体力的にも尋常じゃない人いるよね。」
「もしかして、キングカズのことも気になっている?」
「56歳のおっさんが、ポルトガルのチームに移籍するとかしないとか、あり得ないでしょ。」
「カズはそこらのおっさんじゃないよ。失われた30年間をいつ代表に呼ばれてもいいように準備し続けているのだから。」
「1998年フランスW杯で代表を外されたことにより、カリスマのスイッチが完全にぶっ壊れちゃったんだね。昭和のカリスマはエグイくらいしぶといわ。」
「そんなに時代や世代で区別しないでおくれ。いいものはいいし、カリスマはカリスマでいいじゃないか。」
「まぁ。最近、昔のヒットソングが若者に流行り出しているという側面もあるから、パワーのあった時代の文化は、今でも通用するのかもね。」
「森高千里や工藤静香、パフィー、カリスマっていていいだろ。小泉今日子の学園天国も復活するような気がして、テンション上がるぜ。」
「2023年はやべー年にになりそうな気がする。ジュリアナ東京復活とかもありそうで怖い。」
「失われた青春時代を取り戻そうとする、中年のエネルギーは爆発寸前かもなぁ。」
「怖いわー。そういえば、カリスマプロデューサーのテリー伊藤が元気が出るテレビみたいな番組を作っていると聞いたわ。」
「死にたくないテレビでしょ。あれはもう少し上の世代向けだね。」
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