第204話 天才症スペクトラム
「やっぱりさ、天才ってスペクトラムだよね。」
「うん、分かる気がする。日々凡人だなぁと思う自分だけど、時々天才かもって思うことがある。」
「毎日同じ時間に排便できるのって、腸が天才だよね。」
「腸と言うか脳も関係しているから、それは天賦の才能だな。」
「上司や同僚、クライアントにかなりキツイこと言われても、次の日普通に仕事している人も天才だと思うよ。」
「そういう奴いるよね。何であんなキツイ状況でヘラヘラしていられるんだ?と見ているこっちのメンタルがやばくなることがある。」
「仕事内容ではダメで評価されない奴も、タフな奴はメンタル面で評価を受けてその場に居座ることが往々にしてある。大体出世している奴は、若い頃大したことなかったくせに妙な強さがある奴。」
「逆に超繊細で直ぐに心が折れる奴の中にも、誰も考えないようなアイデアをもっていることがあるから手に負えない。」
「超繊細というだけで、周囲が優しくなり、職場環境をよくする効果もあるから、それはそれで天才の一部だ。」
「物忘れが激しい高齢者だって、老人力とか言って重宝されているしね。」
「老人力かぁ。あれを持ち出されちゃうと何でもありだわ。」
「何とか
「ダイバーシティやらインクルージョンって最近言われているけど、そんなのは全て先人の現代アーティストが表現してきた。」
「老若男女、多種多様化した人間を包括する概念は、教室の端に追いやられていた美術やアニメ好き、ヲタクのマイノリティたちの理想の世界だよね。」
「岡本太郎さんだって子どもは天才、人類皆天才と言っていた。あれはダイバーシティの原型になる発想だった。」
「そう言われると、凡庸に見えていた周りの人々が急に色めき立って見えてくる。」
「考え方ひとつで世界は変わるってことだよ。」
「でも天才って必ずめっちゃダメな部分や欠陥があるけど、先人のアーティストはそれも織り込み済みだった。」
「尖るってことは刺さると痛いってことだからね。」
「尖っている奴ほど、イタイ部分がある。」
「イタイところも認め合える社会なら、皆、思い切って尖れるはず。」
「人間は天才症スペクトラムを抱えて産まれ死んでいく存在と誰か定義してくれれば、もっと気楽に生きられる社会になれそうだね。」
「いいところを見つけ褒めるんじゃなくて、枠にはまらない欠陥を見つけ合い、そのダメさを深掘りしながら人間理解を行うのは楽しいかもね。」
「無神経に個人的な趣味を優先してダイラ物語を書き続けること自体、この作者には欠陥があるわ。」
「意味不明な論点で書き進めることに意欲が沸くという人間もいるということも、一種の人間理解につながるかもね。」
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