第189話 お前はもう詰んでいる

「ダイラさん、最近の武論尊さんの動向を知っています?」


「あぁ。原作者ブロンソンさんだろ。何されているのかは知らないなぁ。クワヤマダくんはチェックしているの?」


「武論尊さんは、長野県佐久市出身なんですが、どうやら佐久市で100時間漫画塾という講座を開いているみたいですよ。専門家を講師に呼んで、プロの漫画家や小説家を育成している本気塾だそうです。」


「都会で一旗揚げた人が地元に貢献することはよくあるよね。それにしても武論尊さんてそういうタイプの人だったんだなぁ。」


「武論尊さんはかなり貧しい家庭に生まれ、中卒で自衛隊に入隊した強者です。自分の夢を叶えるための地盤がほぼ期待できない環境から、漫画家として成り上がったサクセスストーリは凄まじいものがあります。」


「あの北斗の拳の名台詞もその環境から生まれてきたような気さえするよね。」


「お前はもう死んでいる。」


「最近の流行言葉で言い換えると、お前はもういるだね。」


「無理ゲーや親ガチャなんていう世知辛い言葉も流行ましたけど、武論尊さんの立場になったら、そういう言葉を発している若者はどう感じるでしょうね。」


「時代や運、持っている才能も違うから一概には比べられないけど、親や社会のせいにする前にもう少し自分の力を信じて進んでもいいかも。」


「武論尊さんは給付型奨学金(返済不要)として4億円を寄付したことでも、長野県に激震が走ったそうです。しかも2回目だそうです。」


「それは凄い。生き方がワイルドだ。」


「僕は小学生時代、ケンシロウの真似をして友だちと遊んでいたら、北斗の拳ゴッコが禁止になった。エネルギーを持て余し、若くて大柄な先生にふざけて経絡秘孔といいカンチョウをしたら胸ぐらを掴まれて高く持ち上げられた。ラオウに持ち上げられたバットの気分を味わいました。」


「北斗の拳あるあるだね。親や先生が子どもに見せたくない危険な漫画・アニメだった。」


「話は変わりますけど、北斗の拳は武論尊さんが原作、原哲夫さんが作画ですが、原哲夫さんの高校の同級生に村上隆さんがいますよね。」


「株式会社トランザクション代表取締役石川諭さんもいたらしい。」


「それはかなりやばいクラスですよね。そんなことってあるんですか。」


「強烈な能力を持った人間の周囲には何かが起こるんだねきっと・・。」


「強烈な磁場が磁場を呼ぶみたいなことってあるんですね。」


「突き抜けている奴が隣の席に普通にいたら、それが基準になるから、ビルドアップしちゃうんだろうなぁ。」


「オレはもう詰んでいるって思う前に、凄い人の近くに行くことだけでも何かが変わりそうです。」


「近くに行くだけなら無料だからね。自分の能力を高めるたにはまずは行動することが大事だわ。武論尊さんの行動はまさに、才能を呼び起こさせるために若者の経絡秘孔を突いているんだね。」


「ひでぶ~する前に大成したいと皆必死です。」




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