第164話 こじらせ日曜美術館

「せんぱ~い。このダイラ物語、だいぶていませんか?」


「そうだよね。勢いで100話完結かなと思っていたけど、なんだかんだで160話を超えてしまった。内容はかなりのこじれっぷりだ。」


「未来や過去に行き来してるうちに、作者自身もどこに軸足があるのか分からなくなっている。最近はダイラさんの子孫が話を回しているし。」


「その子孫が生きる時代は2222年という設定だろ。AIと共に生きる時代を描いているけど、あれはもう行き詰まりだな。」


「元彫刻科出身のレジェンドたちが新しい大学をつくった時点で話を終わらせればよかったんだよ。無理矢理引っ張るからややこしくなる。」


「天竺に詐欺もやっちゃうし・・。結局は行かないんだろ。3年B組金八ブームも理解できるけど、武田テツヤネタじゃ限界がある。あれはキツすぎる。」


「噂では、このに乗じてネタ探しをしていたとか。ダイラさんの過去FBを再チェックし直していたんじゃないんですか。」


「オレの歴史はね、素人が一朝一夕で研究できるほど浅くないから。FBの投稿数だって半端ないよ。」


「掘れば掘るほどダイラさんの異次元性にぶつかり収集がつかなくなりますよね。」


「そうそう、天才というものは常人には理解できないようにできている。理屈で攻めても答えは見つからないよ。」


「四方八方からダイラさんを掴もうとしたけど、にゅるっと逃げていくスライムのようだった?」


「その例えはちょっと嫌だなぁ。」


「でも、色的には蛍光黄緑色キミドイロだし、的を射ている気がしますけど。」


「色で言えばね。存在はブラックホールの方がしっくりこない?」


「空間を捻じ曲げ吸い込むダイラさんの存在はブラックホールかもしれませんね。」


特殊照明作家トクシュショウメイサッカダイラと特殊相対性理論トクシュシソウタイセイリロン似てると思わない?」


「ちょっと強引ですけど、自分が光の先端にいることを想像したことから、アインシュタインは特殊相対性理論を見つけた。ダイラさんも特殊照明作家として光(照明)の先端にいますよね。」


「どうだい、作家の起源を探る展開は日曜美術館ぽいだろ。」


「サザエさんやちびまる子のような親近感を覚えるのは私だけでしょうか。」


「構造的には似たようなものだ。あのパターンで日美は46年間続いている。終わる気配が無い。逆に終わらせることができないコンテンツとなっている。」


「話を戻しますが、重力により空間が歪むというアインシュタインの発見は、ダイラさんが光を放つと周囲の人間は歪むと通じるものがある。」


「ダイラ物語の作者の人生も、オレの重力により歪んでしまったのか?」


「それは、歪む側の本望だと思いますよ。坂本竜馬に憧れる武田テツヤみたいなものですよ。」


「また武田テツヤか!その例えも嫌だなぁ。多分ダイラ物語は200話までは続くとオレは睨んでいる。天竺には行けなかったが、日夜ネタを探し続けて、ダイラと絡めて描き続けるに違いない。」


「超こじらせ日曜美術館ですね。」







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