ジョジョにダイラ
第151話 ジョジョに奇妙な④残酷なガーター
しょぼい石製仮面を被り巨大化したビキニ姿のサルトルタカダは悩んでいた。
「本当にオレはこれで良かったのか。呪いをかけられた仮面を被り、皆の憧れの存在になりたかったのか。」
サルトルタカダは、初代学長、スボイ、シマダがたむろするコンビニに到着した。
「オレはここでひと暴れすることなんか簡単さ。だけど、あいつらにも未来がある。」
サルトルタカダのしょぼい仮面は壊れかかっていたため、理性が戻ってきたのだ。その時、目の前にリヤカーが止まった。無数の穴が空いた巨大な室外機からは、見たことも無い強烈な光が放たれていた。
「まっ眩しい!」
サルトルタカダの体は急激に収縮し気化した。しょぼい仮面だけが、道端に転がっていた。カワグチと同じで水銀灯の光でやられた。リヤカーに跨っていた男が仮面を拾った。
「おい、見ろよ、あいつはサルトルタカダじゃないか。リヤカーの光に照らされたかと思ったら、カワグチみたいに気化しやがった。」スボイは興奮した。
「道端に落ちた石製仮面を拾っている奴は誰だ?お!こっちに来るぞ!」
「ハローエブリワン!」
「お前は誰だ!」初代学長がハムチーズブリトーのチーズを垂らしながら聞いた。
「ガーター・ヤマガタだ。わたしはシマダに用があってここへ来た。わたしは、人の夢の話を聞くのは大嫌いだ。夢とは寝ているときに見る夢。この話も夢のようなもの。読む気が失せるわ。」
「やばい、ガーターだ。」シマダが怯えた。
「シマダくん、君のような清廉潔白な人間が、なぜ怯える必要があるんだい?」スボイの口は『U』になっていた。
「スボイくん、君は僕を裏切ったな。ガーターがこのコンビニに僕たちがいることなんか知るはずがない!」
「何を今さら。シマダくんが僕たちを危険な場所に誘い込もうとしていることはお見通しさ。ビッグモンキーなんて嘘っぱちだろ。ふふふ。ポケベルでガーターさんに連絡したんだよ。」
「おい、私の話を聞いておるのか!シマダよこちらに来なさい!」
「分かりましたよ。」シマダはガーターヤマガタに近寄り何やら話し込んだ。
「お前らのあの秘密は誰にも言わんから、オレの秘密も漏らすなよ。」ガーターは暴露系だったが、自分が暴露されることには恐れを感じていた。
ガーターヤマガタはつるんとした額に汗をかきながら、シマダに頼み込んでいた。
「お前、あのこと言っちゃったら、シマダのことも言っちゃうからね。これは脅しではなく愛だからな。」ガーターは餓鬼になりかかっていた。
その時、天空からドス黒く気味の悪い物体がガーター目がけて落ちてきた。
「死なばもろとも!」ガーターは避けた。
ガーターの前のアスファルトに突き刺さっていたのは、いつか見た巨大カワグチだった。
ハムチーズブリトーのチーズの熱で舌を火傷した初代学長は、アスファルトに刺さったカワグチの尻から出ていたチーズをぼんやり眺めていた。
「美しい。突き刺さるタイミング、そしてあの角度。」初代学長、スボイ、シマダは、カワグチの成長した姿を見て、目に涙を浮かべた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます