第118話 ヤヨイの部屋①
「痛たたった。ここはどこだ?そう言えば、TAROさん、TAROMANに向かって芸術は爆発だ!を炸裂して・・そこから記憶が無い。あれ?、胸のTAROさんが、いないぞ・・。」
ダイラはTAROMANとの対談の後から記憶を失っていた。TAROが放った、本家本元の芸術は爆発だ!の破壊力により、全てが木っ端みじんとなった。そして、ダイラは別世界に来てしまったようだ。どういう過程でそうなったのかは、誰も気にしないと思うが・・。
「なんだここは?見たことがあるような、カラフルな点々が気持ち悪いなぁ。」
「こんにちは。ダイラさん。」
「わ!コシノジュンコ?」
「ヤヨイです。」
「え?あのヤヨイさんですか?」
「そうよ。ここは私の脳内です。ダイラさんは、TAROさんのひょうきんな決め台詞の後、ここに飛ばされたのよ。」
「TAROさんとTAROMANは?」
「爆発しました。」
「TAROさんはなぜそんなことをしたのでしょうか。」
「TAROさんとしては、TAROMAN最終回は、地球を爆発するのではなく、TAROMAN自身を爆発させて、NEWTAROに変身させたかったのでしょう。」
「にゅうたろう?」
「そのうち、NEWTAROとして戻ってくるわよ。」
「でも、なぜ僕はヤヨイさんの脳内にいるんですか?」
「知らないわよ。点々繋がりかしら。ダイラさんが、少し前まで作っていた、鉄板に何兆個も穴を開けていた作品があるじゃない。シンパシーを感じる人の脳に飛ぶ仕組みなのかしら。」
「でたらめな展開だ!こんなことじゃ、読者が激減する可能性がありますよ!」
「読者のことを気にしていいたら、真のアーティストにはなれないわよ。私の著作物をご覧になる?」
ダイラはヤヨイさんの横に山のように積んである、作品やら著作物やらを目にした。
「これは、世に出ていない作品の数々ですか?」
「私は生きている限り作り続けているのよ。呼吸をするより早いペースで創造物が生み出されるの。展示や本にすることが間に合っていないのよ。」
「僕も、やよいさんの本を読んだことがありますが、このダイラ物語よりも、さらに難解で理解しがたい文字が大量に並んでいましたね。」
「何か文句がおありなのかしら。」
「文句はないっす!」
「愛はとこしえよ。」
「飴でも食べる?」
ヤヨイさんはおかっぱ頭のストレートヘアから、飴玉を取り出した。
「ここは、徹子の部屋ですか?」
「ヤヨイの部屋よ。」
ダイラはもうどうにでもなれと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます