第117話 奇獣 TAROMAN対談
「はじめまして。今回はTAROMAN最終回を受けて、TAROMANさんとスペシャル対談を行います。」
「どうも・・。」
「私は、特殊照明作家のダイラという者です。そして、このTシャツの胸にプリントされたTARO氏が時々質問させていただきます。」
「なんそれ?」
「TAROMANは50年前(1972年)の再放送という設定ですよね。山口少年がTAROMANと一緒に撮った写真は1987年とありましたが、あれは再ブームが来た時のものですね。初回の山口さんの演技に視聴者も騙されかけました。ネットで過去にそんな番組があったか検索してしまいましたよ。」
「1972年頃の設定だ。時代や空気感もその頃を意識している。」
「その頃のウルトラマンをオマージュしたシーンが多かったのも意識していた?」
「中年たち(当時の子どもたち)の興味関心を惹きつけるためにはやむを得ない。帰ってきたたウルトラマンと被るときは、シン・ウルトラマンとの被りも気にして冷や冷やしたもんだよ。」
「2号が出てきた自己模倣とのやりとりはドキドキしました。途中から、TAROMANがウルトラマンに見えたこともありましたね。」
「太陽の塔を真っ二つに切ったのは、ウルトラマン80でやったウルトラマンスラッシュ(八つ裂き光線)のオマージュだ。」
「太陽の塔の真向かいにある観覧車を使っていましたね。」
「身近な素材を使うことは悪ではない。大阪市民は盛り上がったと思うよ。」
「ウルトラマン80と言えば、桜ヶ岡中学校に新人教師・矢的 猛として赴任した、シリーズでは珍しく教師設定でしたね。当時流行っていた金八先生や熱中時代に煽られた感満載でした。」
「監督さんは、当時の学園ものブームに乗っかったわけではなく、中断していたウルトラマンシリーズ復活に当たって、いじめや不登校問題を抱えた学校に、頼れる万能な教師像とウルトラマンをリンクさせたかった。かなり前から構想していたと言っていた。金八が赴任した区立桜中と矢的 猛が赴任した桜ヶ岡中学校がなぜか校名がやや被っているところを見ると、ブームに乗った感は否めない。」
「話をTAROMANに戻します。TAROMANのクネクネダンスはどうしても、ラッキー池田さんを彷彿します。あのダンスは誰が考案したのですか。」
「君、鋭いね。でたらめな動きと言えば、藤井監督含むうちら世代は、ラッキー池田なんだよね。もうそれしかない!」
「やっぱり、そうですよね。どこかで見たことのある動きだと思いましたよ。」
「立ち姿も、微妙に腰を横に曲げていたことには気付いたかな?ラッキー池田のオマージュだよ。」
「最終回で気づきました!やたらくねっていたし、必殺技の応酬も、ラッキー池田としか見えない状況でしたよ。」
「べらぼうを演出するのは、マジでキツイんだよね。何をやっても、すでにやっていることばかり。ミクロの抜け穴を探して、誰も見たことがない演出を考えようと模索した制作者たちは苦労したと思う。」
「でも、全く新しいことされても、逆に引いちゃいますよね。それより、パロディーの方が、2倍も3倍も楽しめますよ。50年前にタイムスリップしながら、あの頃のワクワク感を想起しつつ、岡本太郎の毒をブレンドした空想活劇は最高でした。」
「中高齢者向けの活劇だがな。」
「TAROさ~ん、質問はしないのですか?」
「芸術は爆発だ!」
「え!・・・・・・・・・・。」
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