第114話 奇獣 午後の日
「あたしは、学校は大嫌いだった!」
「TAROさん、どうしたんですか、いきなり。」
「TAROMAN第9話を観ていたら、胸糞が悪くなったんだ!」
「奇獣午後の日は、TAROさんの墓石にもなっているカワイイキャラクターですよね。」
「午後の日には、あたしの特別な思い入れがある。実は親指で耳の穴を塞いでいるんだよ。」
「両手を頬に当てている微笑ましい作品かと思いましたよ。」
「学校の教師ども、あいつらの言うことは嫌ったらしくて、授業中は、あたしは耳を塞いでいたんだ。授業が終わると親指が痙攣していた。特に昼飯の後の午後の授業は眠くはなるは、授業はつまんないはで、石と化していた。」
「それで、午後の日は石なんですね。TAROさん、トラウマを話すときは、あたしになるのが面白い。」
「必死で耳を塞ぎ、教師どもの声を入れず、夢想していたんだ。耳を塞いでいることがバレると、叩かれるから、頬をついている純粋な子どもを演じていたんだよ。そのときの夢想が今のTARO理論に繋がっている。」
「対極主義ですか。正反対の主義主張がぶつかりあうことで生まれるなんチャラカンチャラ・・。」
「あの宇宙船に乗っていた、奇獣午後の日どもは、意思の弱い顔で、お互いの顔色を見合いながら、結局何も決められなかったなぁ。」
「仕事場ではよくある風景ですよ。数時間、出口の見えない雑談をしながら、最後は上の判断に順じようが定例なのです。僕もあなたと同じ意見ですよは、場の空気感を担保するための大切なワード。でたらめですっとんきょうな提案なんかすると、村八にされますからね。サラリーマンは同調命です。」
「腐っているなぁ。だからあたしは、日本社会が嫌いなんだ。同調圧力の塊のような社会に風穴を開けたかった。調和なんてナニクソだ。子どもの樹も人間の多面性を認める社会を願って作った。生身の自分に賭けろってんだ!」
「平野啓一郎の分人ですね。その時々に見せる多様な自分を認めてもらえる、緩やかな社会ですね。硬直した社会では、一つの自分が壊れるとドミノ倒し的に他面の自分も崩壊する。」
「あたしの多面性と多動性・衝動性(ADHD)生身の姿を先生に認めてもらいたかった!」
「TAROさん、今日は飛ばしていますね。」
「だって、TAROMANは終わるんだろ。あたしは、最終回の展開が見えているぞ。この後、10話予想をしゃべるから、ダイラくん期待していなさい。」
「TAROMANを予想するのは、さすがのTAROさんにも無理ですよ。」
「なんで?」
「コンプラという素材で固められた、超同調圧力のNHKの組織で、グリグリと揉みこまれ生み出された異次元の発想は、学校嫌いで小学校で転校を繰り返し、藝大を三日で中退した自由人には予想できませんよ。」
「そうか~、硬直した組織の中で生み出されたTAROMANだから、もっとお堅くつまらないのかと想像していたが、本家本元を凌ぐ勢いで、日本人の心を掴んでいるもんなぁ。」
「腐った日本社会に、TAROさんの芸術論をでたらめのように見せつつも、愚国民にナチュラルに捻じり込むスキルは、NHK受信料を
「あたしは、NHK受信料を真面目に払っていたと思うよ。敏子さんが・・。最近は払わなくてもいいの?」
「受信料を払わなくてもOKと言い切る政党も出てきました。」
「あたしは、NHKが好きだから、払うけどね。たくさん払ったらTAROMAの続編やってくれるかなぁ。あたしは、奇獣ピカソを出してほしい。ピカソを神棚から引きずり降ろすシーンを観たいんだが!」
「多分、それは無いですね・・。」
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