DAIRAMAN
第101話 DAIRAMAN誕生
「TAROさん、いくらなんでも、これはマズイですよ。」
「なんだこれは!」
「そういうのいらないですから。」
「人生何が起こるか分からない。オレは死んでるけど。」
「どのタイミングで、こうなったんですか?」
「やっぱり、芸術は爆発だ!でキメ顔をしたときじゃないかなぁ。ダイラくんの照明にも問題があったんじゃないの?異次元とか宇宙とか繋がっているんでしょ。」
「それとこれは関係ないですよ。何で、そもそも僕の身体にTAROさんが入ってきたんですか。」
「でたらめをやっちゃったね。」
「やったのはTAROさんですよね。」
「まぁ、君も一度死んだ人間になってみるのもいいぞ。」
「TAROMAN第3話の決め台詞ですか?わかりきった未来を求める自分を殺せということですよね。TAROMANの番宣しまくってますね。」
「よし、ダイラくん、君も今日からDAIRAMANってことで・・。」
「めっちゃ、TAROMANに寄せているじゃないですか!」
「DAIRAMAN、君と僕が合体したことで、君が今やっているコラボレーションの究極形という見方もできるよ。」
「そういう意味のコラボレーションじゃないんだけどなぁ。」
「DAIRAMANは、このダイラ物語とさえコラボレーションをやっているのだから、TAROが君の中に住んでいたって、大した問題じゃないだろ。」
「いつの間にか、DAIRAMANって呼ばれている。」
「いつまでも駄々をこねていないで・・。」
「それは、第4話の駄々っ子怪獣に向かって、同じことをするくらいならどうたらこうたらですよね。」
「分かりましたよ。ダイラ物語、第101話は、TAROMANの番宣だったんですね!」
「制作会社から何かもらっているのですか?」
「どうせやるなら、ネタにしたほうがいいだろ。ムーブメントに乗っかるのもアーティストの手腕だよ。」
「で、TAROさんは、いつまで僕の中に住むんですか?」
「ちょっと面白そうだから、しばらく居させてくれ。」
「僕は、芸術は爆発だ!とキメ顔はやりませんからね。TAROさんとはタイプが違いますから。」
「皆、初めはそう言うんだよ。チャラいから嫌だって。でもね、俺だって、このキメ顔はある人物が乗り移ったときに始めたんだよ。」
「誰ですか?」
「ダリちゃん。」
「サルバドール・ダリ?」
「作品を買ってくれ!と念を込めて、カメラの前で目玉をかっぴろげる。」
「似てますね。」
「あれをやってから、日本中にTAROブームが来たんだから。」
「でも、僕はやりませんよ。」
「鼻の穴を広げるポーズも何度かやったけど、あまり使われなかったかな。やっぱり目なんだよね。人々は目にヤラレル。」
「TAROさんの目シリーズもそこからですか。」
「ウェッブ宇宙望遠鏡で撮影した宇宙を見たでしょ。巨大な目が宇宙にも存在するんだよ。まぁ、目のように見えているだけなんだけど、ああいう形態に人間の心は奪われてしまう。花が目玉に見える花恐怖症というのもあるくらいだから、目には何かある。」
「花の中に目玉があり、自分を監視していると錯覚し不安になる症状ですよね。」
「まぁ、今日はこのくらいにしておこう。DAIRAMANとして、今後、色んな人と対談したらどう?」
「新しい発見や感性に出会えるかもしれませんね。興味はあります。」
「DAIRAMANを受け入れたな。よし、そうでなくちゃ!」
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