第100話 特撮対談 ダイラ×TARO②

「ダイラくん、そんなこと、視聴者に聴くもんじゃないよ。オレは、TAROだからね。人々が予想もつかないことをするんだから。」


「そうですね。実は、7月18日深夜、Eテレという教育番組で、TAROMANという特撮ドラマが始まります。」


「なんじゃそりゃ!でたらめだ!NHKと円谷め!今度はオレをネタにしやがったな!NHKをぶっこ・・。」


「第一話目は、というテーマで、TAROMANと怪獣がでたらめな闘いをするらしいですよ。」


「そんなものが生み出されるとは、オレも予想できなかったなぁ。」


「TAROさんはでたらめをやれと言っていましたが、TAROさんの作風は、海外のデタラメアーティストから見ると、そんなにでたらめではないですよね。」


「ダイラくん、それは言わないでほしかったな。オレは結構、律儀でマジメなタイプなんだよ。爆発しろ!と言葉では言うけど、やっぱり自分が嫌いな絵は描けないんだ。カチッとしていて、鮮やかで、ググッと魂が揺さぶられるように描きたい。これでも、結構悩んだんだから。ダイラくんも、気持ち分かるでしょ。」


「そうですね。僕は大好きなSF映画が創作の原点となっています。作品には、自分と宇宙を繋ぐ媒体としての強度は保とうとしていますね。今、多くのアーティストとコラボをしていますが、特殊照明を当てることで、果てしない宇宙との接点をもつことに成功しています。全てのアーティストを宇宙空間に招待しています。」


「オレを照らしているこの照明により、宇宙と繋がるってわけだな。」


「TAROさんは照明を当てなくても、宇宙人ですが。」


「ダイラくんが生み出されたこのエッセイとのコラボはどう考えているの?」


「物理的に照明が当てられないので、少し困っていました。作者の思考回路がでたらめなので、先が読めず、いつの間にかこの物語も第100回を迎えていました。まぁ、新しいカタチのコラボということで、勝手に泳がせている状態ですね。」


「ダイラくんは寛大な人だね。オレだったら、もっと過激に表現しろ!と忠告するけどね。もっとでたらめに表現しろと・・。」


「今はそういう時代ではないんですよ。日々、非日常的な出来事が乱発しているので。」


「オレが若い頃も、戦争があったからね。あれが無かったら、TARO語録も生み出されなかった。戦後の軟弱化した若者を見ていたら、戦争で失った仲間たちが浮かばれないなぁと思ったんだ。オレが暴れたのは、死んでいった仲間への鎮魂なんだよ。」


「TAROさんたちの鎮魂パワーが今失われつつあります。若者は部屋に籠り、ゲームやSNSに勤しんでいますよ。」


「いずれ、そういう時代が来ると思っていたよ。だから、TAROMANは深夜放送なんだね。部屋に籠った若い奴らが、観てくれるといいなぁ。」


「多分、ほとんどの視聴者は40歳以上のおっさんだと思います。笑えますね。」


「他人が笑おうが笑うまいが自分の歌を歌えばいいんだよ。って言った手前、それも仕方ないかぁ。」







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