第99話 特別対談 ダイラ×TARO①

「ダイラ物語、100回記念対談を行います。」


「君は誰だ?」


「ダイラと申します。市川平という特殊照明作家の人物像、作品を勝手にオマージュした作者により、エッセイ調な感じで、この世界に生み出された者です。TAROさん、よろしくお願いします。」


「オレは誰だ?」


「TAROさんですよね。生前は、芸術は爆発だ!とおっしゃったり、大阪に太陽の塔を制作されたり、日本一有名な芸術家さんですよ。私もリスペクトしています。緊張してます!」


「そうか。そういえば、最近、石原なんちゃらが、こっちの世界に来た。うるさくてたまらん。」


「慎太郎さんですよね。彼もTAROフリークですよ。確か、高校生の頃、TAROさんに絡んだとか・・。」


「あいつは、本当にヘリクツの天才だ。オレが対極主義について熱弁していたら、いちいち突っ込んでくるんだよ。冷や汗もんだよ。こっちは、パリ帰りのエリートなんだからさ。しかもあいつデカいだろ180cmの巨体で、オレを言い負かそうとするんだから。」


「TAROさんは170cmでしたっけ?」


「156cmだよん。女子と視線がバッチリ合うんだぜ。そんなノリで、若い女の子たちに熱弁してたらさ、あの巨人が来て、場を搔っ攫っていったんだよ。」


「でも、慎太郎さんは相当、TAROさんのこと好きみたいですね。」


「こっちの世界でも、毎日、来るんだよ。対極主義はインチキだとか言ってさぁ。参っちゃうよ。慎太郎だって、太陽の党とかいう政党を組んだんだろ。太陽の塔のパクリじゃんかよ。」


「たちあがれ日本党から太陽の党、そして、日本維新の会に吸収されました。」


「ところで、太陽の塔はまだ立っているの?」


「バリバリ立っていますよ。塔内は管理が出来ず、閉館していますけど。」


「あれも、勢いで作ったからね。反対が多かったけど、人気は健在でしょ。」


「え?嫌われることが信条ですよね?」


「ははは!そうだった!でも、オレは何しても好かれちゃうんだぜ。」


「そういう人いますよね。余計なことしか言わないのに、愛されちゃうタイプ。」


「慎太郎くんもそのタイプだな。生前は敵を作って、相当やらかしたろ。」


「凄まじい政治家でした。TAROさんのおっしゃる通り敵も多かったけど、愛されていたと思います。」


「あいつは、オレを真似しているんだよ。政治家は爆発だ!って言わなかった?」


「言いそうな雰囲気はありましたね。お亡くなりになってから出版した自叙伝は、かなり私生活でやらかしていたことを自己暴露していました。」


「ちょっと素直に書き過ぎたと言っていたよ。いいじゃんか。」


「で、君はどんな表現をしているの?」


「今、TAROさんを照らしている照明が僕のアートです。」


「これか!妙な動きがあって、途中から、目がチカチカしてきたよ。オレは生きているのか死んでいるのか分からなくなった。動く照明は初めてだ。お盆に出てくるやつに雰囲気が似ているけど、TARO仕様なのかな。」


「わぁ!でた!感を出したくて、そうしました。昔、TAROさんの美術館で展示もしました。」


「そうなの。TARO展のことかな。まだ続いているんだね。最近の受賞作を見せてもらおうかな。」


「TAROさんの遺伝子は確実に受け継がれていますよ。」


「もし、今の世の中に、オレがいたら、何を作っていたと思う?」


「そうですね~。みなさんはどう思います?」






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