第96話 インド人と友だちん〇

「クワヤマダくん、この国の未来を考えたことがあるかい?」


「どうしたんですか?せんぱ~い、最近、シリアスな質問が多いですよ。」


「いや~、激動の世界を見ていると、日本の未来のビジョンが見えなくなるんだ。まさかと思うようなことが、日々頻発しているからね。」


「このダイラ物語も、非日常的な視点とナンセンスな展開で、読者も目が回りますよね。現代の様相を表しているとも言えますが、きっと作者の頭の中も混乱を極めているのだと思います。」


「そもそも、ダイラって何者なんだろうか。物語の最初の趣旨と変わっているんじゃないか?この先、どう展開していくのかしら?」


「せんぱ~い、自問自答が始まると、精神的に疲れますので、話を変えましょう。」


「そうだね、考えても仕方のないことは、止めよう。」


「せんぱい、おぼっちゃまくんという、漫画・アニメを覚えていますか?」


「お!懐かしい、おはヨーグルト、ともだちん〇の茶魔語はよく知っているよ。超金持ちのおぼっちゃんが亀に乗って登場してくる様は、イケていたね。」


「あの、おぼっちゃまくんが、インドの子どもたちに大ブレイクしているらしいですよ。」


「え?インド?人口11億人中、子どもは4億人いるんでしょ。子どもだけで、日本の総人口の4倍!凄い産業になっているね。」


「作者の小林よしのりさんは、若い頃から、東大一直線、ゴーマニズム宣言など当て続けてすでに大金もちですが、インドでのおぼっちゃまくんフィーバーにより、モノホンのおぼっちゃまくんになることが確定しています。」


「それは、とんでもないことだよ。日本では、子どもたちに見せたくないランキング1位で、全国のPTAから相当叩かれ、失速したからね。インドでは、放任なのか?」


「インドは貧富の差がかなり激しいのが現状です。おぼっちゃまくんのストーリにかかせない貧富の差をポジティブに捉える精神性が道徳的にフィットしたためか、教育委員会推奨アニメに指定されているとか。」


「夏休みに子どもだけで観に行っていい、推奨アニメってことだ。」


「インドでは、おぼっちゃまくんのアニメや映画が日々コロコロ作られているようです。アニメーターの数も異常に多いので、一瞬で新作ができる体制のようです。」


「若者にパワーがある国の代表格だからね。数年後、中国を人口で抜くらしい。」


「僕は個人的には貧坊びんぼっちゃまが好きです。」


「表面だけ豪華なスーツで、裏面が裸な人でしょ。豪邸かと思いきや、張りぼてだったみたいな話はインパクトがあった。」


「で、10年後の日本ですが、おぼっちゃまくんを観て育ったインド人が大量に日本に来ます。」


「そんなバナナ!」


「10年後、リアルおぼっちゃまくんの世界観が広がる日本は、親日家のインド人だらけになるでしょう。」


「学校の挨拶は、おはヨーグルト、こんにチワワ、こんばんワインになっています。」


「なんのこっチャイナ、さよならっきょ?」


「せんぱい、日本の10年後は明るい!」


「すみま千円、ついていけせん!」

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