ダイラ物語

第89話 オーパーツはいやげ物？

「やっぱり、林家ペーパーはタイムトラベラーだと思うんだよね。」

「40前の写真と現在がほぼ同じだもん。」

「噂には、有名人の誕生日を丸暗記しているだけではなくて、命日も言えちゃうみたいだよ。これから誕生するスターの誕生日も言えるみたい。」

「あっ、私、その話聞いたことある。あるテレビ番組の特番で、有名人の誕生日を言い当てたときに、一人だけ間違えたことがあった。数十年後、間違えた日にちは、その大物芸能人が亡くなった日を言い当てていたことが分かったみたい。」

「ちょっと、怖いよね。林家ペーパーで数百字書くのは、ダイラ物語の流れからしてあり得ないけど、撮りまくった写真は、未来人に販売しているのかぁ。」

「きっと、芸能人の子孫からの依頼だよね。やっぱり未来ではタイムトラベルが当たり前になっているのかなぁ。」

「折角、こういう話題で書き始めたから、もう一つ謎の出来事について、検証してみようよ。オーパーツって知ってる？」

「現代でしか作れないような物が古代遺跡にまみれて発掘されたやつ？」

「そうそう、オーパーツは、発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指す、「out-of-place artifacts」を略して「OOPARTS」とした語で、つまり場違いな工芸品という意味なんだ。」

「いやげ物だね。（もらっても嫌なお土産※みうらじゅん造語）」

「当時は、もらっても困るもんだね。これが、どうやらタイムトラベルと関係しているんじゃないかと疑われるものがあるんだ。」

「カンブリア紀の金属ボルト！でしょ！」

「君、詳しいね！1997年、ロシアのブリャンスクで発見された、15億年以上前に生成された石の中に埋まっていたボルト。数トンの力を加えても変形せず、X線で石を見たところ、中に同様のボルトが10個ほどあるのが確認できたという話だ。モスクワ航空大学のチェルノブロフ教授は、15億年前に地球にやってきた宇宙船が何らかの原因で故障・爆発し、飛び散った部品の一部だと主張しているらしい。オーパーツの中でも、うさん臭さがあまりない物だよね。」

「でも、タイムトラベルできるような技術力を持った未来人がボルトを使うのかなぁ。」

「そこなんだよね。UFOにしろ、未来人にしろ、カンブリア紀にタイムトラベルする技術がある世界観でボルトは考えにくいよね。」

「自称タイムトラベラー、ジョン・ダイラーさんが言っていたけど、ボルトは永久（とこ）しえ言っていたよ。」

「ダイラさんは、ボルトは数千年先も普通に使われている派だったよね。タイムカプセルと称した倉庫にも大量のボルトを保存しているらしい。」

「その話は本当なの？噂の範疇でしょ！」

「タイムトラベルが通常に行われる未来で、ダイラさんの残したボルトをひっさげ、カンブリア紀で、ばら撒いたなんて可能性も無いわけでは無い。」

「そのロシアで見つかったボルトと、ダイラさんの倉庫にあるボルトが同じである可能性もあるよね。」

「無きにしも非ず。」

「どこかで聞いたことのあるフレーズ。古代遺跡から、現代でも理解ができない物品が出土されたら、本物のオーパーツとして、世界は騒ぐんだろうね。まだまだ、人間の想像の範囲のものしか出てきていないっていうことは、いやげ物の範疇なのかなぁ。」