第87話 グランピングで?オカルト?
「ダイラさん、今年の夏は凄いイベントやるらしいよ。」
「夏、お盆と言えば、ダイラさんって定着して久しいけど、何をやるの?」
「遂に、グランピアとのコラボ!」
「グランピア?」
「野外キャンプの豪華版だよ。手ぶらで行っても何も困らない。生活用品は全て揃っている。海や湖、高原で、高水準な生活を保ったまま野外経験ができるんだ。」
「テント張ったり、BBQの準備したり、携帯やテレビが観れずイライラする必要がないってこと?トイレも綺麗?お風呂はあるの?」
「もちろん、全て揃っている。」
「キャンプの意味がないんじゃ・・。」
「何にもしたくないけど、非日常な自然空間で生活してみたいと考える若者が増えているんだよ。」
「そうか、この話の流れから言うと、ダイラさんのコンタクトドームとグランピアのコラボだな。」
「その通り!コンタクトドームはかなり頑丈な作りで、ハンモックも付けられるんだ。ドーム内で焚火もできる。天井が開いているからね。」
「あの天井の空間は
「コンタクトドーム内で、プラネタリウムも観ることができる。本物の宇宙に星座なんかないというコンセプトの基、ランダムに開けた複数の穴から幻想的な光がこぼれる。ドームのないプラネタリウムという、ダイラさんの初期作品が中央にあるけど、あれは巨大充電器に変わる。充電すると、プラネタリウムが放射し始める仕掛け。充電がなくなったーと騒ぐ必要はない。もちろんWi-Fi完備だ。」
「お風呂やトイレは、近くのホテルを利用するから、万全な体制だよ。あと、一つ最大のイベントがある。」
「自然体験が無いと、グランピアの価値がないですよね、ダイラさんはどんな仕掛けをするんだろう?」
「コンタクトドーム内に居ながら超常現象体験ができるんだよ。」
「それは、ダイラさん肝いりの企画だ!」
「夕食を終え、陽が落ちたころ、ドーム内に人魂が現れる。」
「人魂パフォーマンスだね!ダイラさんが研究に研究を重ね開発した、パフォーマンスだ!」
「ドーム内にいる人たちは軽くパニックになる。そして、ドームの天井に人魂が抜けたところで、夜空にUFOの大群が行き交う。」
「これは、さすがにダイラさん一人では演出しきれないので、地元の青年会議所と消防団の若者に手伝ってもらう。」
「そして最後に、水銀灯を頭上に付けたダイラさんがドームに侵入する。」
「ダイラUMAパフォーマンスですね!」
「これは盛り上がるよ。皆スマホの充電は完璧だから、超常現象をSNSで拡散する。」
「もちろん、ハッシュタグは、グランピア#で、オカルトですね!」
「ダイラさんの特殊照明は、写真で撮ると、目には見えないイエローグリーンの光源が画像内に散らばるんだよ。心霊写真(オーブ)とも見ることができるんだ。」
「これから、コンタクトドーム内で、オカルトツアーが流行りそう!」
「豪華グランピア、コンタクトドーム内で?オカルトツアー?」
「通称#デオカルト、ダイラさん、新しい分野をまた作っちゃたよ!」
「オカルトに対して、本気なのか、煽りなのか分からない微妙な立ち位置でアートに昇華し、物理的な技術で証明しようとするところが、特殊だね。若干、大槻経教授が入っている?」
「え?特殊証明作家だったけ?」
「特殊照明作家だよ!そこは間違えちゃダメだよ。」
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