第80話 ゲゲゲのダイラ
「参議院選挙に向けて、駅前が遊説でうるさいんですよね。ダイラさんは政治とかって興味あるんですか?」
「それはあるよ。各党のマニフェストはチェックしているよ。どの党を推しているかは秘密だけどね。」
「私は、遊説のときだけやる、拳を握りしめて、声を裏返すように訴えるスタンスが苦手です。ワザとらしくって・・。」
「ははは・・。日本人はあーいうパフォーマンスには抵抗感があるよね。でも、日本人の心、演歌ってものは、元々は政治演説から来ているんだよ。声をビブラートさせたり、拳を握って歌うスタイルは演説そのもの。」
「演説が日本独自の進化を遂げて、演歌となるとは、恐るべしジャパニーズ!」
「遊説も、演歌風に唄えばいいんだよ。まぁひと演説してから、眉をひそめて、お袋さんを歌うとかね。高齢者は群がるよ。マニフェクトなんて小難しい話は、実は投票行為には反映されていないというデーターもある。」
「実は、私も、お恥ずかしい話、イケメンか否かで投票しています。」
「声がイイとか、顔がイイとか、そんな見た目や風貌、雰囲気で決めちゃうのが、多くの有権者の在り様だね。」
「でも、内閣総理大臣は、自民党の国会議員の中で決めるから、一般市民とは決め方が少し違う。」
「ダイラさんの言いたいこと、分かる気がする~。」
「何だかよく分からない、いいとも悪いとも言えない、中庸なタイプに票が集まる傾向にある。」
「四方八方から攻撃される存在だから、ヌルッとしているスライムタイプでないと務まらないんだ。」
「岸田首相も、皆さんの意見をよく聞いてから考え実行すると、初めの頃言っていましたね。」
「海外の強烈な政治家とは違うんだよ。オラオラ系は、日本ではすぐに失脚する。岸田さんのような気のいいイケオジがトップにいることは、民主主義が浸透している結果とも言えるけど、実はそうでもないんだ。」
「日本独自の進化を果たした自民党の内部は、大妖怪がウヨウヨいるらしい。」
「ガラパゴス諸島みたいな党ですね。」
「水木しげるの妖怪図鑑を参考にしたほうがいいかもね。」
「でも、妖怪たちがこの国を仕切っているなんて、ちょっと面白いかも。わくわく!」
「鬼太郎のような政治家が出てくると、更に盛り上がりそうだね。」
「そうだ、ダイラさん、選挙に出てくださいよ。ガラパゴス党ゲゲゲのダイラで!」
「ゴロがいいね。マジカルミキサーの上で、十五の夜を熱唱するよ!」
「ヤジが、こらーバイクを盗むな―とか、尾崎は演歌じゃねえぞーとか、マジカルミキサーは小平中央公園がいいぞー!って、盛り上がりそうですね。」
「楽しい選挙になりそうだね。妖怪どもをぶっ潰す!みたな?」
「少子化や物価高騰、エネルギー問題と問題山積の沈みゆく小国日本で、最期の悪あがきに、暴れてください!」
「よしゃー!だから、やらないから。オレはアーティスト、妖怪とは闘いません。」
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