第39話 サブリミナル・ミキサー
ダイラは無類の映画好きだ。
自宅兼アトリエには500本を超える映画DVDとチラシやポスターがあり、広い空間を埋め尽くしている。
これまでに制作し世に出したアート作品は、ダイラが観てきた映画とは無縁ではない。
中学時代に観た、「フレッシュ・ゴードン」というアメリカ映画では、劇中に出てくるフレッシュゴードンの反り返った宇宙船に影響を受けた。
その後、美大に入学して、その形態をオマージュした、ドームのないプラネタリウムを制作した。
★
ダイラが美大で講師をしているときの夏休み、ダイラの自宅に学生が招かれた。
※以降、ダイラがトイレに行っている間の学生の会話
学生A
「ダイラ先生のアトリエ、DVDとおもちゃで溢れかえっているね。」
学生B
「おもちゃっていうか、ブリキの車を集めるの趣味なのかなぁ。」
学生A
「何これ、ミキサー車かな?たくさんぶら下がってる!」
学生B
「おれ、ミキサー車には詳しいんだぜ。この黄色いミキサー車は、トラック野郎に出てたやつじゃないかなぁ。」
学生A
「もしかしたら、ダイラさんのマジカルミキサーってトラック野郎由来?」
学生B
「確か、マッハ
学生A
「さすが、トラック野郎だね。でも、キスする理由がよく分からないなぁ。」
学生B
「マッハ文朱さんと菅原文太が喧嘩するんだけど、元プロレスラーのスレンダーで筋肉のあるマッハさんは、文太さんに覆いかぶさるんだ。これは、アドリブっていう噂もある。その時に、マッハさんが頭突きをしようとして、思わずキスをしてしまったらしいよ。どうやら、マッハさんの前歯も欠けたみたい。」
学生A
「ピーンときた!以前、ダイラ先生はメーテル好きを公表していたよね。自分より大きくスレンダーな人が、多分、好きなんだわ。そういう人に押し倒されたい願望があるかも~。」
学生B
「トラック野郎を観た年齢は、中学生頃の思春期だから、ダイレクトに影響を受けたかもね。」
学生A
「映像の講義で、サブリミナル効果を習ったけど、
※サブリミナル効果とは、意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のこと
学生B
「男女の魔法のようなもつれの無意識下に潜む、ミキサー車ってこと?」
学生A
「あぁ・・だから、マジカルミキサーなのかなぁ?」
学生B
「最近、ダイラ先生、マジカルミキサースモールバージョンを大量に作っているって言ってたよ。全国の公道で走らせるんだって。トラック野郎にも、たくさんのミキサー車が菅原文太のトラックを追いかけていたシーンがあったなぁ。」
学生A
「映画の影響って凄いね。その人の人生すら変えてしまう。確かに、あの薄暗く狭い空間で、大画面の映像を2時間弱見続けることは、洗脳空間でもあるからって、映像講義の先生も言っていた。」
学生B
「まぁ、ダイラ先生のことだから、そんな単純な理由で制作はしていないと思うけどね、ぼくらの勝手な想像はここまでにした方がいいかも。後で、ダイラ先生に真相を聞いてみようよ。」
学生A
「そうだね、あっ!ここにインディ・ジョーンズシリーズがある!そう言えば、インディの服装ってダイラさんの着てるものと似てない?」
学生B
「それは、思い込みすぎだよ・・、でも、ちょっと似てるかも・・。」
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