第17話 肛門期の輝き(バベルのダイラ)
誰しも、幼児期(2歳~4歳)にトイレットトレーニングを経験してきた。
この時期の子供には自己中心的、情動的な傾向が強く、排泄という肉体的反応を適切に行なえるようになることで、性格や自己規律に対して何らかの影響があるとされる。
フロイトはこの時期を肛門期と言った。
中国では、お尻に穴のあいたズボンを履かせ、排泄し放題にすることで、自立を早めている。吸収ギャザーが高品質な日本とは真逆な発想である。
日本では、養育者が忙しくトイレに行かせ、自らのコントロールで排泄ができるように、促すことがステイタスだ。
この排泄訓練には芸術性と深く関係する要素があると言われている。
過度なタイミングや清潔さを求められた子は、ものを捨てるのを嫌がるようになったりする。ためこみ屋でけちな性格になることもあるようだ。
幼少期、我慢ができすに、その辺でうんちをしてしまった経験はあるだろう。
大概は、そのうんちをそのままにしておくか、気が利いたとしてもテイッシュで隠すくらいだ。
ダイラは、違った。
自分の体内から排出された奇妙な物体にフィギュアのゴジラを立てた。
肛門から出てきた怪獣を見て、自分の体内にはどんな世界があるのか空想を広げたのだ。
その後、初めて自分のうんちを見たときの驚きと興奮が、大人になったダイラの心の奥底で輝き続けていた。
☆
ダイラの創造群は大胆で繊細、自己中心的なようで、宇宙全体を内包している世界観があり、多くの人の心を
幼少期のダイラの排泄訓練方法に何か秘密があったのではないか。
小学校低学年の頃には、町中で見かけるバキュームカーに関心を持ち始めていた。
ダイラは、体内から勢いよく出たうんちをグイグイ吸い込むバキュームカーをブラックホールカーと呼んでいた。
人間の肛門とバキュームカーが繋がる夢を何度も見た。
銀河系がブラックホールに吸い込まれる空想とリンクしていた。
どこかに集め溜め込まれたうんちは想像を絶する高さとなり、バベルの塔となる。
ダイラはバベルの塔を駆け上り、創造的な人生と自己実現を叶えることとなる。
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